環境にやさしいエネルギーに関するニュースを提供するサイト、「エレクトレック(Electrek)」によると、テスラはこの充電にかかる時間をより生産的なものにするための策を練っているという。充電の待ち時間に洗車を行うサービスの提供について、検討しているもようだ。
愛用するテスラ車を清潔に保つことは、オーナーたちにとっては難しい問題だ。自動洗車機のブラシや再利用水が車体表面のクリアコートに良くないのではと心配する人たちもいる。この点にジレンマを感じているのはテスラも同じだ。さらに、カリフォルニア州は史上最悪の水準となる干ばつに見舞われており、同社は自らも、洗車に関して難しい状況に直面している。
報じられているところによれば、テスラは環境にやさしい洗車用品を製造するエコ・グリーン・オート・クリーンとの契約に向け交渉中だ。エコ・グリーンは「水を使わない」洗車用品やマイクロファイバーのタオルなどを手掛ける企業。同社製品を使用すれば、洗車に必要な水はわずかコップ1杯だという。
従来の洗車用洗剤には、泥やグリースを溶かすための化学薬品や溶剤が使われている。だが、水不要をうたうエコ・グリーンの洗剤の一部は乳化剤としてココナツオイルを採用しており、車体にスプレーすれば、泥と油を結合させ、塗装に傷を付けることなく汚れを洗い落としたり、拭き取ったりすることができる。
この洗剤の長所は、水道料金を節約できること、車体に引っかき傷ができないことなど。短所は、充電とは異なり、無料のサービスとはならないことだ。
洗車サービスの試験プログラムに関する詳細は、まだ最終的には固まっていないもようだが、エレクトレックによると、まずはカリフォルニア州フリーモントにあるテスラ工場内のスーパーチャージャー・ステーションで開始される見通し。その後サービスを拡大することになれば、月額約90ドル(約9,200円)の加入者対象のサービスになるとみられている。
テスラは先ごろ、ガソリン・スタンドへの充電器の設置に関してガソリンスタンド・チェーンと交渉中であることを認めた。広報担当者は、充電中に時間をつぶす方法を提供できるかどうかは、今後ステーションを開設する場所を決定する際の欠かせない条件だと述べている。
だが、テスラが航続距離を延ばすことを目指すのだとすれば、ステーションの増設・洗車サービスとエスプレッソ・バーや食事の提供は、直観的に相いれないもののようにも思える。