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2016.08.15

次のバフェットは誰だ? 次世代金融リーダーの思考と素顔

メアリー・キャラハン・アードス


6. ジェフリー・スミス(44)
スターボード・バリューCEO兼最高投資責任者、専門:ヘッジファンド

物言う投資会社「スターボード・バリュー」は、米ヤフーの全取締役の解任を要求するなど、投資先に対して厳しい姿勢を見せている。スミスCEO曰く、「投資先からすぐに手を引こうとするのは、投資先を十分に理解していない証拠だ。逆に、投資先が思うような業績を出しておらず、しかもそれが気にならないのなら、それはそれでやはり問題だよ」。

7. ピーター・クレア(51)
カーライル・グループ最高投資責任者代理、専門:M&A(合併買収)

経済成長を牽引するのは“団塊の世代”だとクレアは考えている。なかでもカギになるのが、「ヘルスケア(医療)」だ。「医療システムを効率化し、コストを削減している企業を探すべき」と語る。そんなクレアが大切にしているのは、「人の話を聞く」こと。カーライルの共同創業者ビル・コンウェイから学んだという。「彼は素晴らしい聞き手だった」。

8. ジョン・スタイン(35)
ベターメント創業者兼CEO、専門:ロボアドバイザー

アメリカ最大手のロボアドバイザー(自動運用サービス)「ベターメント」のスタインCEOは、投資で大切なのは「株の銘柄選びに夢中になりすぎないこと」だという。「長期的には、市場に勝てる人などいない。最善の策は、リスクや市場の動き、税率を考慮した上で、最高の収益を得られるように最適化された、分散型のポートフォリオに投資することだ」と語る。

9. ジョナサン・グレイ(46)
ブラックストーン・グループ不動産部門統括責任者、専門:不動産

世界で最も収益を上げている“地主”に成長したブラックストーン。その不動産部門を統括するグレイは、「金融の世界では人は複雑なことをしがちだ。当社はしない」と語る。だが、そんな彼も1990年代末のドットコム・バブルで手痛い思いをした。高い賃料を払うIT企業に土地を貸し出したものの、すぐに倒産したのだ。今でも「注意すべきだった」と悔やむ。

10. ジョシュア・クシュナー(31)
スライブ・キャピタルマネジング・パートナー、専門:ベンチャー

投資医療保険に特化したスタートアップ「オスカー」の共同創業者でもあるクシュナーは、「起業と投資を同時期に始めたことが最高の投資になったよ。起業が美化されているが、会社を立ち上げるのは大変な困難を伴う」と明かす。それでも、後悔はない。「起業することでより良い投資家になれたし、投資することでより良い起業家にもなれたからね」。

編集 = Forbes JAPAN 編集部

この記事は 「Forbes JAPAN No.25 2016年8月号(2016/06/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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