スナップチャットの猛追に焦るFB インスタに導入の「パクリ機能」の歴史

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フェイスブックほど巨大なサービスになると、他社を模倣しても失うものは少ない。これまでも「Rooms」や「Riff」、「Paper」といった新しいアプリを立ち上げては、思った成果が得られないと躊躇なく終了してきた。また、新しい機能の導入を検討する際には、膨大なユーザーの一部に限定してテストをし、成果が芳しくないと正式リリースを見送ってきた。

インスタグラムの「ストーリー」についても、今後機能を廃止したとしても、ユーザーはこれまで通りアプリを使い続け、マイナスの影響はほとんどないだろう。

今年初めにフェイスブックはツイッターのライブ動画配信機能や、ツイッター傘下の動画アプリ「ペリスコープ」、動画ストリーミングアプリ「Meerkat」などを模倣して「ライブ動画」機能をリリースした。この新機能は大ヒットし、フェイスブックにとって今後も欠かせないサービスとなった。

マーク・ザッカーバーグCEOは「これからの世界は動画ファーストになり、我々の全てのアプリやサービスにおいて、動画は中心的な役割を果たすようになる」と述べて、今後も動画機能を強化していくことを強調した(ザッカーバーグは電話会議の中で、チューバッカのマスクを被って爆笑するママの動画が1億6,000万回近くも再生されたことについても触れた)。

スナップチャットは、即席のおふざけコンテンツを投稿するSNSとしては圧倒的な人気を誇り、インスタグラムは今回の「ストーリー」機能の追加でスナップチャットを追随したい考えだ。また、広告収益の拡大を図る上で、ストーリーによって新たな広告スペースを生み出すこともできる。

「フェイスブックはスナップチャットを大きな脅威だと考えている」とニューヨーク大学でマーケティングを教えるスコット・ギャロウェイ教授は話す。「ストーリー」という名称は同じでも、機能は両アプリ間で多少異なる。

例えば、インスタグラムの方が写真に落書きをするブラシや色の種類が豊富だ。また、ストーリーを見た人のプロフィール写真が表示されるため、閲覧者を簡単に確認することができる。他にも、ワンクリックでスライドを戻ったり、スライドショーを止めたり、ズームすることができる。
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編集=上田裕資

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