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テクノロジー、eコマース担当ライター。


当時、ハンケはポケモンキャラクターのライセンスを管理するポケモン社と既に交渉中で、ポケモンGOの開発に着手しており、資金さえ集まればいつでもスピンオフできる状態だった。ところが、ハンケはVCにピッチを行っても全く成果を挙げることができなかった。ハンケと面談した投資家の一人は、「交渉の中でハンケはイングレスのことしか語らず、開発中のポケモンGOについては一切話を持ち出さなかった」と証言する。

「私は以前から位置情報ゲームに注目しており、ポケモンGOができる以前からナイアンティックのことを知っていた。しかし、私には、位置情報ゲームは人気が出そうに見えて、いつまでたってもヒットしない類のゲームに思えた」と別の投資家は述べている。

実際、クライナー・パーキンス・コーフィールド・アンド・バイヤーズやアクセルパートナーズは、その以前にゲーム会社Booyahに出資をしたが、同社が開発した位置情報連動ソーシャルゲーム「MyTown」は芳しい成果を挙げることはできなかった。また、他の投資家は、位置情報共有アプリのフォースクエアの失敗も投資判断に影響したと述べている。

「2011年にはShadow Citiesという、ニューヨーク中を歩き回ってポイントを貯めたりバトルを行う位置情報ゲームが登場し、ニューヨーク・タイムズは未来のゲームと絶賛したが、大失敗に終わった」とゲームアナリストのテロ・クイッティネンは話す。

また、クイッティネンはVCがフリーミアム型ゲームを評価しなくなったことも大きいと指摘する。その代表格であるジンガ(「ファームビル」の開発会社)とキング・デジタル・エンターテインメント(「キャンディ・クラッシュ」の開発会社)のゲームはいずれも人気が短期間で衰えたが、その後登場したMachineZoneやスーパーセルもフリーミアムモデルを踏襲している。

ナイアンティックがVCから出資を得られなかった理由は他にもある。それは、ハンケとVCとの間で、会社の評価額に大きな隔たりがあったことだ。ハンケは自社を1億5,000万ドル(約153億円)で評価してくれるVCを探していたが、その金額の高さに多くのVCがしり込みをした。ハンケはカリフォルニア大学バークレー校 ハース・スクール・オブ・ビジネスで今年3月に行ったプレゼンテーションで、「我々が算出した評価額と、VCが慣れている金額との間にミスマッチがあった」と認めている。

最終的にハンケはグーグル、任天堂、ポケモン社、エンジェル投資家などから1億7,500万ドルの評価額で3,500万ドルを調達した。結局VCで出資をしたのはサンフランシスコを拠点とするAlsop Louie Partnersだけで、同社のパートナーであるGilman Louieがナイアンティックの取締役に就任した。

編集=上田裕資

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