iPhone 7と同時公開の「完全ワイヤレス」イヤホン アップルが独自開発

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米ヘッドフォン売上の5割以上がBluetooth

またウォールストリートジャーナルは、iPhone 7とされる新機種にはヘッドフォンジャックがないとみられ、そのおかげで厚みが1ミリ薄くなり、防水性も高まると報じている。ヘッドフォンはBluetoothでつなぐかLightningコネクタに接続することになりそうだ。

2013年に行われたアップルによるPassifの買収は目立たないものだった。買収額は公表されていないが、Passifは2008年の投資ラウンドでコースラ・ベンチャーズ(Khosla Ventures)から調達した額が160万ドル(約1億6,000万円)と少額だったため、買収額もさほど高くなかったとみられる。Passifはあまり知られていないスタートアップだったが、「省電力で環境に優しいスイッチベースのワイヤレストランシーバー」を製造していると自ら説明していた。

LinkedInの情報によると、Passifの共同創業者であるベン・クック(Ben Cook)とアクセル・バーニー(Axel Berny)はともにカリフォルニア大学バークレー校で博士号を取得しており、現在はアップルの社員となっている。オーディオから無線で情報を受け取ることができるスピーカーシステムに関する技術など興味深い特許を、アップル社員となった今でも自らの名前で取得している。

アップルが参入しなくてもBluetoothヘッドフォンの人気は上昇中だ。調査会社NPDによると、アメリカにおける2016年上半期のヘッドフォンの売上のうち54%を占めていた。それでもパフォーマンスとバッテリーの寿命に問題があり、アップルはこれを解決しようとしている。

NPDのアナリストであるベン・アーノルド(Ben Arnold)は「ヘッドフォン市場においてBluetoothヘッドフォンは大きな割合を占めるようになっています。今後も初心者向けの製品は増えると考えますが、注目はやはり秋に発表されるiPhone 7です。ヘッドフォンジャックがなければBluetoothヘッドフォンへのシフトが加速すると考えます」と語る。

アップルのスマホにおける最大のライバルであるサムスンは、最近BluetoothイヤホンのGear IconXを発表した。スマホで音楽を聴いている場合の電池の持ちはわずか90分だが、充電ケースがついてくるという。しかも音楽を聴けるだけでなく、光学センサーで心拍数を測り、加速度計で歩数もカウントしてくれる。

編集=上田裕資

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