ホイットマンはソーシャルメディアで、大統領選の共和党候補者であるドナルド・トランプを「怒り、不満、外国人への嫌悪、人種の壁を利用した扇動政治家で、国家の安全を脅かす危険人物だ」と非難した。
一方、クリントンに対し「クリントンの気質と国際経験、米国の価値観への献身は米大統領にふさわしい」と述べ、支持を宣言した。
フォーブスの米国人長者リスト「Forbes 400」にも名を連ねるホイットマンは、著名投資家のウォーレン・バフェット、ダラス・マーベリックスのオーナー、マーク・キューバン、前ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグに続いてクリントン支持を明確にした。
大統領選には巨額の資金が必要で、共和党員とテック業界に強力なネットワークを持つホイットマンの共和党に対する“背信”は、クリントンにとって大きな意味を持つ。
ホイットマンは2012年、米大統領選に立候補したミット・ロムニーの選挙運動にも参加し、ベイン・アンド・カンパニー関係者たちと、少なくとも450万ドル(約4億6,000万円)を献金した。
資金面でもヒラリーを強力に支援
ホイットマンの関係者は、クリントンの選挙活動に少なくとも数十万ドルの資金を出すと明言した。彼女はeBay(イーベイ)CEOとして、1997年に570万ドル(約5億8,000万円)だった同社の売上高を、2008年の退任時には80億ドル(約8,100億円)まで増やした。フォーブスの推定ではホイットマンの純資産は21億ドル(約2,100億円)でその大部分をeBay時代に積み上げた。
政治活動に積極的なホイットマンは、2010年には自らカリフォルニア州知事選に出馬し敗退した。その際に支出した自己資産1億4,400万ドル(約146億円)は、米選挙史上最高額となった。
ホイットマンがクリントン陣営にどれほどの寄付をするのかは明らかになっていないが、ほかの共和党員が後に続くかもしれない点において、大きな意義がある。ニューヨーク・タイムズは、ホイットマンの共和党の仲間が、寄付者の公表が必要ない非営利団体を通じ、民主党に寄付をする可能性があると報じた。