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2016.08.07 15:00

米音楽フェス「ハードコア」層は年収7.5万ドル、年5回以上フェス参加

2016 Coachella Valley Music And Arts Festival photo by Daniel Leist / gettyimages

2016 Coachella Valley Music And Arts Festival photo by Daniel Leist / gettyimages

米国の音楽チケットオンライン販売サービス、イベントブライト(Eventbrite)が北米の音楽ファンの消費動向リポート「MusicWatch」を公開した。この調査は過去1年間に最低1回以上、音楽フェスティバルに足を運んだ18~49歳の音楽ファン1,000名を調査対象としたもの。

そのデータによると対象者の40%が「今年は過去数年より多くのフェスティバルに参加する」と回答。また全体の半数以上が「来年はさらに多くのフェスに足を運ぶ」と答えている。

また、今回の調査結果で最も注目すべき点は「全体の20%のフェス参加者が、残りの80%がフェスに費やすより多くの金額を音楽フェスに注いでいる」という点だ。イベントブライトはこの20%を「ハードコア層」と定義し、その特徴を次のように報告している。

平均年齢32歳、年5回以上フェスに参加

ハードコア層の平均年齢は32歳、男性が6割、女性が4割を占める。このグループの平均年収は7万5000ドル(約760万円)で、年間5~6回のフェスに参加。音楽的嗜好としてはメインストリームよりもややニッチなジャンルを好み、ボナルーやコーチェラ、エレクトリック・デイジーといったフェスに州を超えて長時間のドライブで参加する。お気に入りのフェスには過去3回以上参加したリピート顧客であるという特徴もある。

また、ハードコア層のユーザーの69%は「今後の数年で、現在より多くのフェスに参加したい」と回答。一方、「カジュアル層」のユーザーで「来年はもっと多くのフェスに行きたい」と回答したのは41%に留まった。

さらに、ハードコア層が1回のフェスのチケットに支払う金額の平均は208ドル。過去最高の支払金額の平均は400ドル以上になっている。これは音楽フェスのチケットにしては異様に高い価格にも思えるが、米国のフェスではステージへのアクセスが良いキャンプグラウンドや特別観覧エリアが1,000ドル以上のVIP枠として提供されるケースが多く、その影響と見られている。

ハードコア層の76%が過去にVIPパスを購入している。一方でカジュアル層のVIPパス購入経験は26%に留まった。

ハードコア層はSNSのエンゲージメントが高いことも明らかになっており、全体の81%がフェスの模様を最低一回はソーシャルメディアに投稿する。58%がインスタグラムを利用しており、スナップチャットの利用者も40%に及んだ。

今回のリポートは音楽業界以外の企業からの注目も集めそうだ。ハードコア層の7割が「会場で無料の飲み物や食事が提供されることを歓迎する」と回答した。しかし、ブランドの告知をフェス会場で行なう場合、慎重な取り組みが必要だ。なぜなら、彼らの45%は「近年の音楽フェスは商業色が強くなりすぎている」と感じているからだ。

下記にイベントブライトがまとめた「ハードコア層が好む音楽フェス」、5つを挙げる。

1. コーチェラ・フェスティバル
2. ロラパルーザ
3. ボナルー
4. ヴァンズ・ワープド・ツアー(Vans Warped Tour)
5. エレクトリック・デイジー・カーニバル








編集=上田裕資

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