SBLの一連の行動がサウジアラビア経済に及ぼす可能性のある影響を考えると、現時点ではアブラジクダイがいつ完成するのか(そもそも完成するかどうか)疑わしいように思える。
この展開は、ボストン大学のタリク・ドグル准教授にとって意外なものではなかった。ガルフ・ビジネスが報じる前から、彼はサウジアラビアの財政赤字が2015年に約1,000億ドル(約10.1兆円)に増加したことに言及し、アブラジクダイのような大型プロジェクトの予算管理が特に難しいものになることを指摘していた。ドグルによれば、今の状況はサウジ政府が財政赤字の増加を受けて行っている、構造改革(支出削減や外国人投資家へのさらなる市場開放など)の影響だ。
しかし彼は、サウジアラビアの高級なランドマークとなり得るアブラジクダイについては、建設作業が継続され、近い将来、完成するだろうと考えている――2018年以降になる可能性が高いと予想しているが。
国が経済的困難に直面するなかで、このプロジェクトを完成させるということは、これまでとは異なる戦略を適用することを意味する。別の建設会社を探したり、海外の投資家との合弁事業にするなどの戦略だ。
最終的には「アブラジクダイをいつ、どのようにして完成させるかという決断は政府にかかっている。その決断は、構造改革を経たサウジアラビア経済がどのようなものになるのかを示す、重要な要素となるだろう」とドグルは語った。
注記:本記事の掲載時点でサウジアラビア財務省および(ホテルの設計を担当した多国籍コンサルティング企業)ダール・ハンダサ(Dar Al Handasah)からコメントはない。