訴訟を起こしたのは、米ニュージャージー州ウェストオレンジ在住の男性。被告の3社がポケストップやジムを土地所有者らの了承なしに設置し、私有地に侵入するプレーヤーから利益を得ていると主張している。
男性は、携帯電話を手にした見知らぬ人々が自宅前に集まり始めたことから、家の裏庭がポケモン出現場所となっていることを知った。これまでに少なくとも5人のプレーヤーが玄関先に現れ、裏庭に入ってポケモンを捕まえてもいいかと聞いてきたという。
ポケモンGOの運営側はプレーヤーに対し、立ち入りが制限されている場所に許可なく入らないように呼び掛けており、この5人はこれに従って許可を求めたようだ。だが、原告の男性は、墓地やホロコースト博物館などの私有地にプレーヤーが不法侵入した例があることに加え、住民もプレーヤーから頻繁に立ち入り許可を求められ迷惑していると訴えている。
集団訴訟を起こす理由としては、個別の訴訟を起こす資金を持ち合わせていない人が多くいることや、そうした訴訟では原告に支払われる賠償額が少なくなることを指摘。個別の訴訟ではたとえ勝訴したとしても原告が「効果的な法的救済措置を受けることができない」上に、原告は私有地に無許可で設置したゲーム内スポットから引き続き利益を享受することが可能になると主張している。
原告は、不動産所有者らに対する賠償と、私有地への無許可でのポケストップやジムの設置の禁止を求めている。被告は7月29日から起算して21日以内に何らかの対応を取る必要がある。この期間が過ぎても対応がなかった場合、原告不在のまま裁判所が判断を下すことになる。
この訴訟によってポケモンGOがサービス中止に追い込まれる可能性は低いが、米国のプレーヤーは念のためポケモン集めを急いだほうがいいかもしれない。