英テック業界に深刻な「技能ギャップ」? 平均年収も米都市の6割

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だが、EUからの離脱が決まり、欧州との間の労働者の移動の自由に関する不透明性が高まる中、英国は現在の地位を維持することができるのだろうか?欧米に加えアジアでも、それぞれのハブが一層、魅力を増している。

これを実現できるかどうかについての重要な指標として、報告書が挙げているのが賃金だ。「ソフトウェア開発は、職種としては比較的新しいものだ。そのため、従来からあるその他の職種に比べ、賃金水準に関する労働者側の認識が確立しているとはいえない」という。

ただし、それでもテクノロジー業界の賃金水準は、英国内のその他の業種に比べれば高いといえる。英国家統計局や英国医師会などの統計によると、同国のソフトウェア開発者の平均初任給は年収3万2,500ポンド(約437万円)。大卒初任給の平均よりも7~25%高い。

また、過去1年6か月の間には、以下のスキルを持つ人たちの賃金が特に上昇した──セキュリティーエンジニア(31%)、データサイエンティスト(29%)、QAテストエンジニア(18%)、パイソンエンジニア(14%)、アンドロイドエンジニア(13%)。報告書によれば、こうした変化は「労働力の需給ギャップを反映」すものだ。

一方、ロンドンのソフトウェア・エンジニアの基本給は、サンフランシスコとニューヨークで働く同業の人たちに比べてそれぞれ、38%、35%少ない。


報告書は、「われわれの調査の結果、米国内で働くソフトウェア・エンジニアの基本給が最も低かったアトランタと比べても、さらに低水準だ。英国をテクノロジー業界で世界的に競争力のある都市にしたいと考えるのであれば、英国の実業界も政界も、この大幅な隔たりの解消に向けて、対応していかなければならない」と指摘している。

編集 = 木内涼子

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