そんなスタートアップのひとつ、バイト(Byte)は、オフィスに健康的な食品を取り揃えた自動販売機を提供する企業だ。同社のビジネスについて、創業者のミーガン・モクリCEOはこう語る。
「米国では高級スーパーで買い物をする消費者が1億5,000万人に達しているにもかかわらず、彼らの職場にある食べ物は80年代から変わっていない。新鮮な食べ物は一切なく、あるのは主にパックに入ったスナックの自動販売機。職場に新鮮な食べ物を揃えておくのに高額のコストがかかるからだ。我々はこの問題を解決する」
実際モクリによれば、施設内に新鮮な食べ物を置いていないオフィスは全体の99%にのぼる。
バイトのビジネスモデルは、オフィスで働く人々の健康をサポートする(顧客の90%がバイトの冷蔵庫により健康的なランチが食べられるようになった)だけでなく、各自然食品ブランドに、新たな流通チャネルと貴重な消費者データを提供できるところに利点がある。
バイトの冷蔵庫はいずれもRFID技術が導入されているため、利用者が冷蔵庫から商品を取り出すと自動的に課金が行われる。リアルタイムで在庫情報にアクセスすることができ、バイト側は各冷蔵庫の在庫を最適化し、また設置場所の消費者の好みに合わせて調整することができる。
食品の安全性を確保する上でも役に立つ。「全ての冷蔵庫の温度をリアルタイムで監視している。電源がオフの時や、何らかの理由で適温が保たれていない場合に、冷蔵庫をロックするなどの措置を取ることもできる」とモクリは言う。
食品と医療をつなげていく
天然素材でつくったミールシェイクを提供しているアンプル(Ample)は、クラウドファンディングサイトのインディーゴーゴー(Indiegogo)で 36万7,624ドル(約3,768万円)の資金調達に成功。わずか30時間で当初の目標だった50,000ドル(約512万円)を突破し、食品企業の キャンペーンとして史上最高額の資金を調達した。