トランプ政権下で「伸びる業界」5選 アップルには壊滅的打撃

Joshua Lott / gettyimages


アンドロイド端末

トランプはこれまでアップルを公然と批判し、同社がFBIからのiPhoneのロック解除要請を拒否した際には、アップル製品のボイコットを呼びかけた。彼は、アップルが海外で製品を製造していることが気に食わないと言っているが、自身が所有するアパレルブランドが海外の工場で生産していることはお構いなしのようだ。

問題なのは、トランプが大統領になった暁には、アップル叩きを今まで以上に強化する可能性が高いことだ。彼はアンドロイドをアメリカの公式モバイルOSに指名し、アップル製品の使用を法律で取り締まろうとするかもしれない。その頃には経済が破たんして米国民はパンの配給を受ける列に並び、もはやスマートフォンのOSへの関心など失っているだろうが、一時期はアンドロイド端末が圧倒的なシェアを握り、我々の着信音はトランプの口癖である「huge」になっていることだろう。

スマート・フェンス(柵)

トランプはメキシコとの国境に巨大な壁を作ることを宣言している。ニューズウィークはこの案を「非実用的で、愚かで、実現不可能」とこきおろしているが、トランプは気にも留めていない。ある専門家は、壁の建設費用を250億ドルと見積もっているが、これほどの金額を使わなくて済む良い方法がある。それはスマート・フェンスだ。これは、センサーや電気パルスを使ったり、光ファイバーケーブルを外周フェンスに張り巡らすなどして侵入者を探知する柵で、イスラエルが国境地帯に配備している。ただし、イスラエルではロケットミサイルが国境を越えて侵入してくるのに対し、アメリカでは勤勉な労働者たちが入国してくる点が大きな違いだ。

監視技術

トランプは、ヒュー・ヒュイットがホストを務めるラジオ番組に出演した際、「全世界が我々を破壊しようと企んでおり、私はセキュリティ対策に万全を期す。それが私のやり方であり、それを好む人もいれば、嫌がる人もいる」と述べた。彼は米国家安全保障局(NSA)がセキュリティ対策のためにあらゆるデータを取得することを支持しており、大統領になれば国中に監視システムを導入するのは目に見えている。
CCTVの調査によると、イギリスには11人に1台の割合で監視カメラが設置されているという。この数字は調査によって多少変動するが、重要なのは今や監視カメラは学校や病院、会社、交差点、ショッピングセンターなど、ありとあらゆる場所に設置されているということだ。トランプはイギリスを模倣してアメリカにも監視カメラを大量に設置するだろう。そうなった場合、利益を得るのは赤信号監視カメラのメーカーくらいだ。

テクノロジー業界のリーダーの多くは、ドナルド・トランプが大統領に就任することは、アメリカにとっても、業界にとっても悲劇だと述べている。あなたがテック業界の関係者であれば、トランプに投票することはサーペンター(G.I.ジョーに登場する悪役キャラクター)をホワイトハウスに送り込むのに等しいことを理解するべきだ。11月の大統領選ではトランプの大統領就任を阻止し、サージェント・スローター(G.I.ジョーの教官)を誇らしい気持ちにさせようではないか。

編集=上田裕資

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