「私たちは海から生まれた」。レストラン「デュークズ・ワイキキ」で特大フラパイに舌鼓を打ちながら、ホノルル在住のヘミングスはハワイの魅力をこう語った。「孤立しているハワイは、地球上で人類が定住した最後の場所の一つだ。急激な変化もあったが、私たちの文化は時代を超えて受け継がれている」
この時代を超えた文化こそが、オアフ島が他の米国の観光地と異なる理由だ。もちろん、常夏の気候も大きな特徴だが、違いはそれだけではない。そこに住む多様な人々、世界各国から影響を受けた食文化、そして気楽でフレンドリーな「アロハ」文化がある。
オアフ島観光ではビーチで過ごす時間も必須だが、柔らかい砂に魅了されるあまり、島が持つ他の魅力に気づかないこともある。オアフ文化にどっぷりつかるための方法をここに紹介しよう。
海
サーフィンは、オアフ島では単なる趣味ではなく、生活の一部だ。地元民は毎朝早く、出勤前に誰もいないビーチで波に乗る。サーフィンは人々の日課なのだ。
サーフィンの起源を特定するのは難しい。最も古いものでは、1777年にタヒチ人がサーフィンをしていたとの記録が残っている。だがヘミングスによると、「高度な波乗りのアートを発明したのは、ハワイ人だった」という。
こう言えるのも当然だ。彼は、五輪金メダリストで現代サーフィンの父と言われるデューク・カハナモクと親しい仲だったのだ。カハナモクは1911年、21歳で初めて水泳の競技会に出場し、自由形で3つの新記録を樹立。その後、サーフィンを米本土、さらには世界に広めたパイオニアとたたえられている。サーフィンと水泳の両方で殿堂入りを果たした史上初の人物でもある。
Photo Courtesy of Hawaii Tourism Authority and Tor Johnson
クヒオビーチにはカハナモクの銅像があり、ワイキキを訪れる人々を迎えている。彼についてもっと知りたければ、デュークズ・ワイキキの壁に掲げられている写真の数々を眺めてみよう。(この店名はもちろん、カハナモクにちなんだものだ)
ワイキキではいつでもサーファーの姿を見ることができるが、年一回の「デュークズ・オーシャンフェスト」というイベントもある。伝説的サーファーであるカハナモクの功績と、彼のお気に入りのスポーツだったサーフィンを祝うもので、今年の開催は8月20~28日。ロングボードサーフィンやバドルボード大会、二人乗りのタンデムサーフィン、サーフボードに乗り行う水球や、ビーチバレーが行われる。
また、カハナモク像の近くのブースでは、「ワイキキ・ビーチボーイズ」からサーフィンやカヌーのレッスンを受けることもできる。