Q10. 逆に、女性だから得したことはありましたか?
若いころは、個の能力差>男女の能力差、と考えていたので、全くなかったと思います。ただ、先の質問で答えましたが、私が進んできた道はブルーオーシャン。そういう意味では、ビキニを着てブルーオーシャンを泳いでいれば目立つ(例えです)というようなメリットはあったかもしれませんね(笑)。
でも、年齢を重ねてくると得することがいっぱいあります。ビジネスの世界ではリーダー側の女性がまだ少なく、少ないということは多様性の始まりを自分たちが創れるということ。時代を創れる側にいるというのは、自分たちで方向を示していけるので、とても楽しく得だらけです。
Q11. 人間関係で気をつけていることはなんですか?
フラットでいること。八方美人ならぬ360方美人であること。全方位に美人であろうとすれば力んだ状態は続きません。だから自然な状態でどの方向にも「美しい姿勢でいること」と「カジュアルでいること」を心がけています。
おそらく私の一番の強みは人によって態度が変わらないことだと思っています。役職や年齢といった「外側のお洋服」の違いはちゃんと認めますが、特にそれで態度を変えないと思います。言うは易しですが、ものすごく珍しい対応だとよく言われます。
Q12. あなたを今一番モチベートさせているものは?
娘を通して次の世代を感じられること。両親を通して過去を感じられること。その道筋を自分が繋ぐのだという想いが自分の活動のモチベーションです。
Q13. 息抜き方法はなんでしょうか?
息抜きは夫を眺めること(笑)。存在自体が力んでいないので。強弱が全く無い人なので、照らし合わせると自分の変化がわかりやすいです。だから「私、力んでいるな!」と思うと夫を眺めます。ただ、あまりに変化がないのでときおり苛つくこともあります。
Q14. 10年後の夢を教えてください。
10年後の夢はすでに片足を出している先にあると思っています。ですから、ITx教育で次世代を創っていることだと思っています。
Q15. 女性の後輩に「これだけは言いたい!」というメッセージをお願いします。
あなたこそが時代の変化の過程ですから、あなたの一歩一歩を迷いながら生きてください。無駄なこといっぱいやるのが人生です。
– 最後に、このQ&Aバトンを渡す女性イノベーターをご紹介ください。
コンサルティング会社Ampleen LLCの創始者、関口匠子さん。ある本で、人工知能に奪われない未来の職業の一つが「企業文化のエキスパート」だということを読んだことがあります。関口さんはニューヨークで企業に『サステイナビリティ』をコンサルティングする会社を経営されています。利益追求だけでない新しい企業文化づくりに挑戦する、まさにイノベーターだと思います。
奥田浩美さん(左)、関口匠子さん(右)