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2016.07.28

117億円稼ぐ「ワン・ダイレクション」の不在が音楽業界に与える打撃

Photo by Karwai Tang / gettyimages

ワン・ダイレクションのメンバー4人は、2015年末、22億ドル以上を稼いだ「オン・ザ・ロード・アゲイン・ツアー」の終了後に休業を発表した。音楽オーデション番組The X Factor で出会い、世界的な人気を誇った彼らが表舞台から去ったことで、ボーイバンドのマーケットには空席が出来たが、その座を奪う者たちはまだ現れていない。

音楽業界の誰もが次のワン・ダイレクションを生み出そうと狙っているのは想像に難くない。世の中にはボーイバンドは数多くあるが、その多くは彼らほどの成功は得られない。一方で、一旦スポットライトが当たれば、信じられないような売れ方をする。

ワン・ダイレクションは2010年に結成され、これまでで最も成功した男性ポップグループの一つになった。リリースしたアルバム5枚はいずれも、世界の国々でヒットチャートのトップになり、世界の主要国のいくつかで年間ヒット曲にも選ばれた。シングルの多くは飛ぶように売れ、ミリオンセラーとなった。4つのツアーも大成功を収め、一夜で大金を稼いだ。

年収はテイラーに次いで2位、117億円

フォーブスが7月に発表した「世界で最も稼ぐセレブリティランキング」で、彼らはテイラー・スウィフトに次いで2位の座を獲得。その年間売上は1億1,000万ドル(約117億円)に達している。彼らの空白を埋めるボーイバンドはどこにいるのだろうか。

ボーイバンドは大金を生むが、ブレイクさせるのはとても難しい。一作か二作をヒットさせられれば幸運な方で、アメリカではイン・シンクとバックストリート・ボーイズ以降、世界的に成功したボーイバンドは10年以上出ていない。

スーパースターの欠如は男性グループだけの問題ではない。女性グループは何十年にもわたって、ヒット作を連発してきたのに、最近のヒットチャートでは、フィフス・ハーモニー以外のスターが見当たらない。

音楽産業におけるトレンドや好みは刻一刻と変化する。そして次にブレイクするボーイバンドがいつ現れるのかが気になるところだが、もしかしたらその日は、ワン・ディレクションの活動再開の時になるのかもしれない。彼らは休業時に復帰を約束しているのだから。

編集=上田裕資

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