スミスらはヤフーに対し、中核事業の売却を提案。同時に、取締役の刷新に向けて委任状争奪戦を仕掛けると脅しをかけたのだ。
中核事業の売却へ
ヤフーが正式に売却に向けたプロセスに着手したのは今年2月。しかし、その後も計画が順調には進んでいないと報じられたことから、スミスらは取締役全員の入れ替えを要求。双方は最終的に、スミスほか3人を新たな取締役とすることで同意した。
こうして次々と絶え間なく伝えられるニュースの後に、ヤフー中核事業売却はついに実現することとなった。ベライゾンの助けを得て、ヤフーは事業を好転させることができるかもしれない。ベライゾンのティム・アームストロングCEOは25日、ヤフーが買収した後に評価損を計上しているブログサイトのタンブラー(Tumblr)には、今も大きな価値があると指摘している。
ただし、この売却が報じられた日も、投資家にとってはまた新たな落胆の一日となったかもしれない。彼らがこの約10年間、同社の事業好転に向けて注ぎ込んできた時間や労力が報われたことを示すものは、ほとんど何もないのだ。
長期にわたり、頭を悩ませながら同社株を保有してきた人たちは、スミスらの行動から得られる見返りを今後、少しは手に入れることができるかもしれない。ヤフーは再び、アリババ株とヤフー・ジャパン株を多額の税負担なしで手放すことを考えるだろう。それにより、利益を得られる可能性もある。
だが、ヤフーの株価は今後、スミスが2014年にAOLとの合併を提唱した当時に予測していた1株56.62ドルを実現できるだろうか?アリババ株がベンチマークを大幅に上回る収益率を達成しない限り、それはなさそうだ。