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2016.07.28 15:00

GMが自動運転車の開発で模索する「革新と痛み」のバランス

GMののメアリー・バーラCEO(Photo by Bill Pugliano / gettyimages)

GMののメアリー・バーラCEO(Photo by Bill Pugliano / gettyimages)

最先端の革新と最前線の痛みは紙一重の違いだ。自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は100年以上の歴史の中で、しばしば市場の先を行き過ぎることがあった。シボレー・ベガのライナーレスのアルミエンジンや、キャディラックのV8-6-4エンジンなどがその例で、アイデアは素晴らしかったものの技術面の備えが不十分で、機が熟さないうちに市場に出してしまった。

しかし2016年、同社のメアリー・バーラCEOと製品開発担当のマーク・ロイス上級副社長はこれらの失敗から学び、自動運転やその他の技術の展開により慎重なアプローチをとっているようだ。

米国では今年5月、半自動運転機能を作動していたテスラ・モーターズの車で死亡事故が発生した。未熟な半自動運転技術を展開したことが少なくとも1人の死亡につながったとして、テスラ・モーターズと同社のイーロン・マスクCEOは批判の声にさらされている。

バーラ率いるチームは、マスクよりも上手く教訓を学んだようだ。2014年のITS世界会議で彼女は、2016年に半自動運転システム「スーパークルーズ」を実現する計画を発表した。しかし2016年になると、システム改良に時間をかけるためにその予定を2017年に先送りした。業界内では、人間のドライバーと自動運転機能の相互作用が、自動運転システムを展開する上で最大の難関であることが急速に明らかになりつつある。

7月22日にデトロイトで開催されたビリントン国際自動車サイバーセキュリティサミットで、バーラはテスラの事故を受けてのGMのスーパークルーズ計画について問われ、次のように語った。

「スーパークルーズは、我が社が膨大な人材と時間を費やして検証を行ってきた技術であり、連邦政府の安全基準を全て満たすものとなるでしょう。ドライバーに運転をさせ続け、特定の状況でのみ作動するような設計についても取り組んでいるところです」
次ページ > 業界が直面する課題––

編集=森 美歩

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