彼らのビジネスは配車アプリと提携することで自前のインフラを構築する必要が無く、安全基準の遵守やドライバーの経歴確認、障害を持つ顧客への対応なども全て配車アプリに任せることができる点がユニークだ。
「我々はRide VIPと組み、ポケモンGO捕獲ツアー専用のドライバーを50人以上ピッツバーグ市内に展開しています。ドライバーになるための資格はレベル10以上です」とラーキンは述べている。Storimõdは、料金を低く押さえるために、ユーザー同士が相乗りすることを推奨している。ラーキンは、ポケモンGO向け以外のビジネスも既に検討しているという。
配車アプリ業界はウーバーやリフトなどの大手が独占しているものの、全米には小規模なプレーヤーが数多く存在しており、イノベーションの余地は大きい。また、自動運転車が普及すれば交通のあり方自体が大きく変わるだろう。Storimõdの狙いは、場所から場所へ移動する以上の価値を配車サービスに付加することだ。
同社は今後全米の配車アプリと提携し、様々なガイド付きツアーを提供することを目指している。ポケモンGOのようにユーザーに人気の高いゲームさえあればいくらでも新しいツアーを開発できる。ツアーによってドライバーには異なる経験やスキルが求められるが、ドライバーの手配をはじめ、決済などのインフラを全て配車アプリ側が担ってくれるのが提携の大きなメリットだ。
「短期的にはポケモンGOをより楽しめるツアーを提供することに集中する考えです。長期的には、既存の配車アプリのインフラを活用し、ユーザーに様々な冒険を提供していきたいと思います。我々のゴールは、配車アプリを単なる移動手段から何かを楽しむためのサービスに進化させることです」とラーキンは話す。