勇躍、プロアマ戦に挑んだ筆者だったが、結果は惜しくも予選敗退。しかし、プロの真剣勝負の気迫を全身で浴びた筆者の心には何かが宿った。プロゴルファーの究極の決断––。それは経営にも相通じるものがあると。
2016年3月10日、いよいよニュージーランドオープンの幕が開いた。まずは、プロとアマがペアになって予選2日間を戦う。会場は前回紹介したザ・ヒルズ・ゴルフクラブとミルブルック・リゾートの2コース。どちらも風光明媚な名コースで、ニュージーランド国内400ほどのコースのなかで、ニュージーランドPGAのコースランキングでザ・ヒルズが2位、ミルブルックが10位にランキングされている。
私のペアは塩見好輝選手。14年、プロデビュー2年目にして初シードをものにしたが、15年惜しくも賞金シード陥落。しかし、小柄ながらドライバー平均飛距離290ヤードと屈指の飛ばし屋で、しかも、彼は非常に好青年。聞けば東北福祉大学のゴルフ部であの松山英樹選手のひとつ上の先輩で、ゴルフ部のキャプテンも務めた。
ゲームはプロとアマのベストボール方式だ。私は、所属クラブのハンディ9.7に対して8というハンディをもらってのプレーである。加えてアマはハンディホールでは一打もらえる。すなわちハンディホールでのパーはバーディー扱い。
初日は、塩見選手2アンダー、私が3アンダーで好調だった。しかし、私たちのかみ合わせが悪く、チーム戦はトータル3アンダーと伸びなかった。
勝負の2日目、私は4アンダーだったが、塩見選手は3オーバーと調子を崩した。かみ合わせはまあまあだったが、トータル1オーバーで塩見選手も予選通過ならず、私たちペアも6アンダーで予選落ちとなった。ちなみにプロはイーブンで予選通過なので塩見選手は一打及ばず、プロアマは9アンダーで予選通過なので3打足らずであった。
同じ組で回った太田直己選手とアマの安田さんは好調で太田選手が2アンダーで予選通過。チーム戦も安田さんは参加が決まってから2カ月猛特訓したというかいがあって2人で16アンダー、堂々の2位で予選通過である。
太田選手は中堅のプレーヤーで昨年はQT4位でツアー出場権を得ている。アプローチやバンカーが大変うまく、本人の話では、ドライバーやアイアンはプロでもその日の調子によって波があるがアプローチやバンカーはスランプにならない、だから一番大事だとのこと。極めて重みのある発言である。
私も飛距離が出ない分、拾って拾いまくるプレースタイルの重要性は理解していたが、目の前で2日間一緒に回ることでその重要性を再認識した。
3日目は、予選落ちしたゴールドマン・サックスOBの面々とのプレーだ。コースは、ニュージーランド屈指の名コース、ジャックス・ポイント。日本ツアーランキング17位のアダム・ブランド選手と回った。