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Photo by Fiona Goodall / gettyimages

世界のGDPの40%を占める12カ国の間で7年間交渉した後、環太平洋経済連携協定(TPP)は2016年2月4日に署名された。同協定は今後、各参加国により批准される必要がある。アメリカでは、下院と上院の両方が過半数の承認が必要である。しかし、批准はどんなに早くても11月8日の大統領選が終わるまでは、行われそうにない。なぜだろうか?

第一に、米国議会には初めからTPPに懐疑的な議員や批判的な議員がいた。次期米大統領を目指している民主党候補者のバーニー・サンダース上院議員は、14年12月にこう語っている。

「TPPは仕事をアウトソーシングすることによって、大企業とウォール街のみが得をし、労働者は権利を奪われることになる。労働法、環境法、保健法、食品安全法、金融法を骨抜きにし、外国企業が国際裁判所で米国法に異議を唱えることを可能にする」

第二に、労働組合やNGO、NPOがTPPを批判している。米NPO「パブリック・シチズン」は、TPPについて「最終文書の内容は予想より悪い。これにより、民間企業の利益を代表する500人の米国政府の貿易アドバイザーの要求は満たされるが、公の利益は損なわれる」と言っている。

第三に、経済学者による最近の研究では、貿易のために失われた米国内の職が、想定よりも多かったことが判明した。また、こうした貿易ショックからの回復には、予想より時間が長くかかっていた。例えば、マサチューセッツ工科大(MIT)の経済学者のチームが行った実証研究によれば、1999年から2011年の間、中国からの輸入増加によって、最大240万の米国内の職が失われたとの結果が出ている。

学者たちは、「この結果を見る限り、貿易による短期的および中期的な利益について考え直す必要がある」と、結論付けている。彼らは、貿易の恩恵は「理論上だけでなく、どのような条件の下で、誰がどの程度の利益を得て、誰が損失を被るのかがわかる証拠をもとにして示されるべきである」と主張している。

第四に、昨年の専門家の予想とは逆に、2016年の選挙において、貿易が注目の高い争点になった。その背景には、米国経済の回復の遅れに対する国民の不安と不満、また、「グローバル化は他国のほうが恩恵を受けている、自由貿易はアメリカの労働者ではなく、外国人や米企業に恩恵をもたらす、貿易協定のせいで、国内の貧富の格差が拡大している」等の懸念である。TPPへの反対は、右派と左派の双方から来ている。

大統領選における共和党の最右翼であるドナルド・トランプはこう言っている。「TPPは狂気の沙汰だ。合意は支持されるべきではないし、実現されてはならない」

編集 = Forbes JAPAN 編集部

 

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