ポケモンGO、心理学でひもとく人気の秘密

PG/Bauer-Griffin / gettyimages


ゲームのソーシャル要素

ポケモンGOには、ソーシャル(社会的)な要素がふんだんにある。ポケモンを探し求めて近所や街中、田舎を歩き回っていると、ほかのプレーヤーに出くわす。同じゲームに熱中している同士だと、会話も弾む。

もちろんソーシャルメディア上でも、ゲームの情報交換がさかんに行われている。ネット上ではポケモンに関するミーム(ジョーク画像)が次々と生まれ、プレーヤーがあらゆる交流サイト上で自分のゲーム体験を発信している。ネット上でゲームについて話す人が多ければ多いほど、そのゲームを続けようという気持ちが生まれる。

また、職場でもゲームについての会話が生まれており、ポケモンGOは共通の話題で親睦を深める絶好のツールとなっている。

「群れ」の心理

集団が生む影響力は、強力なものだ。あることについて強い意見を持たない人は、他の人々と同じ行動をとる傾向があることが、研究によって示されている。

ここ最近はまるで、誰しもがポケモンGOで遊んでいるように思える。人は自分だけ取り残されることを恐れるため、ネット上での人気ぶりを見ると、自分も参加したくなるのだ。

現実逃避としてのゲーム

ポケモンGOは、絶好のタイミングでリリースされた。米国民は、大統領選についての話題にうんざりしている。また最近は毎日のように凶悪事件が発生し、メディアを賑わせている。毎日流れる悪いニュースに耳をふさぐのは難しい。

「こんな時にモバイルゲームなんて」などという声も聞くが、私に言わせれば、こんな時だからこそ、人々はゲームに引き付けられる。ゲームをすれば、現実世界の苦難から一時的に逃れることができるのだ。

心の安らぎを得るため、アメフトを観戦する人がいる一方で、それよりもポケモンGOを好む人がいるのは当然だ。国が深く分断しているように思える今、ポケモンGOの楽しさについてこれほど多くの人が意見を一致させていることは、良いことだ。

編集=遠藤宗生

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