テクノロジー

2016.07.19 08:00

「ストリーミング戦争」の王者、スポティファイの圧倒的優位性

hoto by Anna Webber/Getty Images for Spotify

hoto by Anna Webber/Getty Images for Spotify

ストリーミング業界でここ数年間続く覇権争いは「ストリーミング・ウォーズ(streaming wars)」と呼ばれている。

ストリーミングの人気が高まり、認知度や将来性が一般に理解されるにつれ、この戦いに参入する企業も増えている。有名企業をバックに潤沢な資金を持って参入する企業もあれば、小規模なスタートアップもある。消えていった企業もあれば何とか留まっている企業もある。しかし、業界の頂点には10年近くの間、スポティファイ(Spotify)が君臨している。

スウェーデンで2008年にサービスを開始したスポティファイは、アメリカにおいては競合他社が束になってもかなわないユーザー数を獲得。有料会員は3,000万人を超え、無料会員を合わせるとユーザー数は1億人に上っている。

対抗できそうなのはYouTube、サウンドクラウド、アマゾンプライムぐらいだ。しかし、YouTubeとサウンドクラウドは課金サービスを持たず、比較の対象にはならない。アマゾンプライムも有料ではあるが、アマゾン本体のおまけ的な位置づけだ。

もう一つの勢力と言えるのが、インターネットラジオと合わせてストリーミングサービスを提供するパンドラやiHeartRadioなどの企業。しかし、パンドラの有料会員数は数百万人(月間アクティブユーザー数は8,000万人台)、iHeartRadioは無料会員数が8,000万人と、スポティファイにはかなり水をあけられている。

スポティファイの唯一のライバルと言えそうなのがアップルミュージックだが、スタートから1年が経った今も期待を下回っている。アップルミュージックの有料会員数は1,500万人で、スポティファイの約半分のレベルだ。

サムスンやアマゾンが新たなサービスを展開するとの噂もあるが、月額9ドル99セントで聴き放題サービスを提供するスポティファイに対抗できかどうかは怪しい。スポティファイと明確に差別化したクオリティの高いサービスを、低価格で提供しない限り、当面はスポティファイがストリーミング業界のリーダーに君臨し続け、他社を引き離していくだろう。

編集=上田裕資

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