市場調査会社IHSのアナリスト、ツイ・チェンユー(崔晨宇)は「任天堂がポケモンGOをリリースするには、アリババやバイドゥ(百度)の協力を得てマップを使わせてもらい、規制当局の承認を受ける必要がある」と語った。
香港のモバイルゲーム企業Linekong(藍港互動)のワン・シーイン(王世頴)は「中国での承認には膨大な作業が発生する」と説明する。まず、中国事業者のサーバーを使用し、次に政府関連のデリケートな場所をマップに一切表示しないようにしなければならない。
中国政府は7月1日から、全てのオンラインモバイルゲームは当局の検査を経なければリリースできないルールに改めた。その承認プロセスには最大80日かかる。任天堂も1万タイトル以上の他のゲームと共に、その列に並ぶことになる。
ワンはさらに言う。「中国のゲーマーはポケモンGOに夢中になって、モンスターを捕まえるために警察署への侵入を試みるような、社会上の問題を引き起こす可能性もある。承認を得るのはかなり厄介な作業になるだろう」
任天堂は今のところ、中国でのリリースの予定はないとコメントし、フェイスブックのポケモンGO公式ページでは質問に対し「中国、韓国、台湾、キューバ、イラン、ミャンマー、スーダン以外の全世界でプレイできる」と回答している。
しかし、中国のファンはあきらめていない。今、中国のiOSストアで最も人気があるゲームはポケモンGOのパクリと言える「シティモンスターズGO」だ。また、中国の検索エンジン、バイドゥで検索すると、本物のゲームにアクセスするための“抜け道”も数多く示される。最も簡単な方法は、アリババのECサイトタオバオ(淘宝)で米アップルストアのIDを購入し、VPNを使用してIPアドレスを米国に偽装して中国のネット検閲システムを潜り抜けることだ。
一方で、あるユーザーは中国のミニブログ、ウェイボー(微博)にこう投稿した。
「中国でポケモンGOが出来ないからと言って悲しむ必要はない。少し待てばいくらでもコピー版が出てくるよ」