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2016.07.18

続く低金利時代、個人が「儲ける」方法はあるのか?

Alashi / gettyimages


ブレグジットとドル高が招く低金利

ブレグジット(イギリスのEU離脱)によって米ドルは“逃避先”となり、米国債の利回り下落とドル高を招いた。イギリスの予想外の決断が、諸外国の中央銀行にさらなる低金利策を促し、FRBの金利引き上げを抑えるという考え方に基づく動きだ。「強すぎる」ドルはアメリカの輸出業者にとって圧力となる。ドルで売られるモノの値段が割高になるからだ。

金利は今後もしばらく、歴史的低水準にとどまるだろう。これは住宅ローンや車のローンなどで借り入れを行う人々にとっては朗報だ。ウォール・ストリート・ジャーナル紙によれば、15年固定金利の住宅ローン金利は2.77%。インフレ調整と税調整を行えば、かなりお得であることが分かる。家を所有している人は、現在の住宅ローン金利をチェックしよう。ノーコストの住宅ローン借り換え(手数料を融資残高に上乗せし、借り換え時点で支払わずに済む)を行えば、得をできる可能性がある。

貯蓄をする場合は、今後も安全な利回りを求めていくことになる。7月1日までの週の銀行の貯蓄商品の年平均利回りは0.27%だった。まったく話にならない水準だが、多くの主力銀行はそれよりも少ないのだ。バンクレート・ドットコム(bankrate.com)をチェックすれば、預金金利1.00%以上のところを見つけることができる。

投資家の場合は、無保証とある程度の変動を受け入れる用意があるならば、キャッシュフローを見れば上手くいく。安全重視と利回り重視の間の得失評価については、アドバイザーに聞くといい。厳選された価値重視の株の配当率は2%~3%になり得る。不動産投資でも十分な利益が得られる可能性があるものもあり、インフレ防衛策や節税策にもなり得る。

私たちは不安定な、利益(利回り)の少ない世界に暮らしている。「陰」と「陽」の景気循環が困難とチャンスを示してくる。経済的な成功を収めるためには、そのトレードオフ(得失評価)を理解することが不可欠だ。

編集=森 美歩

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