起業家が一週間の「ネット断食」から得た3つの効果

Yagi Studio / gettyimages

起業家の一人である筆者は、丸々一週間「ネット断食」を行なうことで、どのような効果が生まれるか実験してみた。時々、ネット断食を行なう起業家は常に疲労困ぱいして働く人々より幸せであり、生産性も高いことを示す事例や科学的証拠は数多く存在する。

筆者がネット断食にあたり、掲げた目標は3つ。1つ目はテクノロジーを断つこと。2つ目は、仕事とは全く関係のない、異なる興味分野を探究すること。3つ目は一人のライターとして、仕事のために書くことをやめ、書きたいという情熱を思い出すことだ。

これらを達成するために、目の前の景色を変えることも必要だった。家にいながらネットから離れることは、不可能に近い。そこで、その週は家族とハワイで過ごすことに決めた。これは、その取り組みの報告だ。

目標1:テクノロジーから離れる

これが私にとって一番難しい目標だった。スマホを手放したことがない私にとって、絶え間ない情報から自分を隔離するという考えは、実に恐ろしかった。最初の数日は、ホテルの金庫にiPhone も iPadも入れて鍵をかけ、ハワイの観光名所を訪れて気を紛らわせた。

オフィスで何が起きているか気になって仕方なかったが、私の不在は仕事仲間がカバーしてくれていると自分に言い聞かせ、なんとかやり過ごすことができた。休暇も半ばになると、不安は徐々に薄れ、代わって解放感を得ることができた。

テクノロジーを断つには、相当な努力が必要だが、得るものは大きい。私はスマホを手放すと、集中力が高まることに気がついた。意識を集中させると物事が深く考えられるようになる。普段は次々に舞い込む情報に思考を中断され、1つのことに心をフォーカスすることが出来ない。集中力アップのため、これからは1日数時間、スマホなしの時間を設けてみるつもりだ。 

目標2:異なる興味分野を開拓する

普段の暮らしで私はほとんどの時間を仕事に費やしている。筆者の会社は中小の企業のビジネスのコンサルティングを行なっている。

休暇中は800ページ以上に及ぶアレキサンダー・ハミルトンの伝記に没頭し、彼の波乱に富んだ人生について理解することができた。面白いことに、本を読んでいる間に自分の人生やビジネスに利用できるアイデアが次々と湧いてきた。この気分転換から、仕事に関するアイデアをたくさん得ることができた。

目標3:仕事への情熱を取り戻す


私にとって文章を書くことは生活の一部になっていたため、1週間休むというのは困難に思えた。しかし、書くことから距離を置いたことは、非常に有効だった。心を休め、書くことへのプレッシャーを取り除いた。その結果、執筆したいテーマが山ほど浮かんできた。

ネット断食をしてリラックスする試みは、クリエイティブな思考が必要な起業家にぜひおすすめしたい。また、それを日常の一部に組み込むことが大切だ。エキゾチックな場所での休暇は当然リラックス効果があるが、常に一息ついて自己を見つめなおす時間を日常の中に組み入れたい。重要なのは日頃からバランスの取れた毎日を送ることだということに、気づかされた。


編集=上田裕資

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