人気女優は映画1本当たり1,000万~2,000万ドルの出演料に加え、交渉次第で興行収入の一部を受け取ることができる。だがヒット作の主流はアクション映画で、男性キャラクターが主人公であることがほとんどであるため、女性がこうした大作の役柄を得て主演男優らが要求するような取り分を手にすることは非常にまれだ。
ベルガラと同様、マッカーシーも業界外に収入源を求めている。2015年には「全サイズ」の女性たちを対象としたアパレルブランドを立ち上げた。その背景には「女性たちを落胆させるのではなく、励ますためにできることがあるならば、なんだってする」という信念があった。
映画界での賃金格差は、米国外ではさらに顕著だ。ボリウッドからは今年、男優2人がランク入りしたが、女優はゼロだった。業界関係者によると、インドの女優はたとえ人気スターであっても、男性共演者の6分の1の報酬しか受け取れないこともあるのだという。
米国の芸能界には、あらゆる面で賃金格差がはびこっている。白人男性と比べた白人女性の平均収入は78%。ヒスパニック系女性ではこれが56%、黒人女性は64%、先住民女性は59%になる。
こうした燦々たる現状を書くと、女性の読者を力づける情報を発信する必要が出てくるが、それも難しい。というのも、巨万の富を得た数少ない女性芸能人たちは、具体的な収入の額を含め、自身の成功について語りたがらないのだ。男性芸能人は収入についての話をためらわないが、女性は「自慢や見せびらかしのように感じる」のだと、ケイティ・ペリーは語っている。
カーダシアンは「子育てをしながらであっても、素晴らしい仕事を続けていて、自分のしていることを楽しんでいるのであれば、頑張り続ければ障害はきっと乗り越えられる」と語る。
スポットライトを浴びる女性たちが今後、一人でも多く成功へと近づくことを願う。