およそ175億円に相当するこの額の大部分は、先述した「1989ワールド・ツアー」に負うもの。同ツアーは1公演当たり500万ドルもの興行収入をたたき出し、北米地域での興収は2億ドルと、ザ・ローリング・ストーンの記録を更新。ツアー全体の収入は2億5,000万ドルに達した。
2位は英アイドルグループ「ワン・ダイレクション」の1億1,000万ドル。昨年3月のゼイン・マリク脱退を経て、現在は活動を休止しているが、昨年の「オン・ザ・ロード・アゲイン・ツアー」の収入は2億ドルを超え、現役のバンドで首位に立った。3位は米作家ジェイムズ・パタースンの9,500万ドル。続いてポルトガルの人気サッカー選手クリスティアーノ・ロナウドと米タレント医師のフィル・マグローが8,800万ドルで4位タイにつけた。
ランキングは2015年6月~2016年6月の収入に基づいており、ランクインした100人の税引き前の収入は総計51億ドルと、ベリーズ、ガンビア、ブータンの3か国のGDP合計を上回った。算出に当たっては、エージェント、マネジャー、弁護士の費用は差し引いておらず、ニールセン、ポールスター、ボックス・オフィス・モジョ、ソングキック、IMDBがまとめた数字に加え、業界関係者や本人への多数のインタビューの内容を加味した。
英歌手アデル(9位、8,050万ドル)は、収入の半分以上を音楽活動で稼いだ唯一のミュージシャンとなった。俳優のトップは米アクション俳優ドウェイン・ジョンソン(19位、6,450万ドル)、女優のトップはジェニファー・ローレンス(50位、4,600万ドル)だった。その他、Kポップ史上最大の人気を誇るボーイバンド「ビッグバン」(54位、4,400万ドル)、ブラジル人スーパーモデルのジゼル・ブンチェン(99位、3,050万ドル)もランキング入りした。
ランク入りした3人に1人は米国以外の出身で、ランキングは国際色豊かな内容となったが、一方でエンターテインメント業界に根強く残る賃金格差を露呈した。ランク入りした女性はわずか15人で、昨年の16人から減少している。