ビジネス

2016.07.16

製品価格の男女差「ピンク税」は、性差別ではなく経済学

View Stock / gettyimages


これが当てはまるのは女性向けの衣料品だけではない。私がいつも衝撃を受けるのは、男性用のワイドフィット(幅広)の靴の値段が、ミディアムフィットのものに比べて大幅に高いことだ。これも同じ原理で、前者は後者に比べて販売数が少ない。そのため商品の扱いに必要な費用をまかなうには、値段を高くする必要があるのだ。

これと正反対の考え方をしたのが、自動車大手フォード・モーターの創業者ヘンリー・フォードだ。彼は「フォード車を購入する人は、どんな色でも好きに選べる。ボディが黒である限り」と言ったことで有名だ。

彼が(モデルTの)車体の色を黒一色に絞ったのは、選択肢を制限するためではなく、むしろコストを低く抑えるためだった。たかが塗料であっても、選択肢が増えればコストは高くなる。だから彼は色を一色に絞り、低価格を維持したのだ。

すべては単純な経済学、ということだ。

編集=森 美歩

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事