iPhone離れ加速の中国消費者 時代は「メイド・イン・チャイナ」へ

Peter Macdiarmid / gettyimages


「中国製」を絶賛する中国消費者

アップルは中国での苦戦によって、絶好調のサムスンとの明暗が一層際立つ形となっている。両社の年初からの株価パフォーマンスを比較すると、サムスンが16%上昇したのに対し、アップルは8%下落している。

ただ、両社を比較するときには、新製品の投入サイクルが異なることを念頭に置く必要がある。通常、サムスンは3月に、アップルは9月に旗艦モデルをローンチするため、一方が新製品を投入した際には、もう一方の新製品の販売はピークアウトしていることが多い。

サムスンは3月に投入したギャラクシーS7の勢いを9月まで維持したい考えだ。一方のアップルは、iPhone 6の発売から1年近くが経ち、9月には世の中を驚かす革新的な新製品を投入する必要がある。iPhone 6が大成功したのは、大画面が特に中国の消費者に支持されたことが要因だが、「2匹目のドジョウを狙うのは難しい」とワンは話す。

「iPhone 7が平凡な製品なのかはまだ不明だ。WWDCで最新のiOSが発表された際には、ソフトウェアエンジニアたちはその新機能に沸き立った。しかし、ハードウェアの観点でも革新的な製品になるかはわからない」と彼は言う。

現状は勢いの差が顕著な両社だが、このトレンドが今後も続くと判断するのは時期尚早だ。消費者は移り気であり、アップルもサムスンもこれまでのようにヒット製品を生み出すことができる保証はどこにもないのだ。

編集=上田裕資

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