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Sean Pavone / shutterstock

冷戦後の緊張緩和と過去20年の中国本土との関係強化によって、台湾経済は大きな恩恵を受けてきた。中国では現在、上海地域だけでも50万人の台湾人が暮らしている。また、台湾からの輸出の4分の1以上は中国本土向けだ。2016年の長者番付に名を連ねた台湾の富裕層のうち、少なくとも半数は台湾海峡をまたいで活発に事業を展開する企業のトップだ。

しかし、好調だった中国経済の成長鈍化と世界経済の停滞が、2年連続で台湾の経済と富裕層に打撃を与えた。台湾の株式市場は2015年に10%近く下落。通貨も対ドルで価値を4%下げた。

さらに、今年1月の総統選挙では独立志向の強い民主進歩党の蔡英文(さい・えいぶん)が総統に選出されたが、これも中国本土とのさまざまな貿易・投資協定の今後にとって、明るい材料とはいえない。

台湾の2016年長者番付トップ50人の総資産は、1年前より13%少ない1,024億ドル(約10兆3,350億円)となった。上位30人が資産を減らしたことが響いたといえる。50位の資産額も、昨年の8億9,000万ドル(約898億2,640万円)から8億5,000万ドル(約857億8,930万円)に減少した。

最も大きく打撃を受けたのはリストの上位に入った富豪たちで、10人のうち8人の資産は合わせて106億ドル減少した。また、今回のランキングに入った女性は一人のみ。台湾の富裕層の間には、驚くほどの男女格差があることが浮き彫りになった格好だ。

首位は前年と同じ蔡兄弟

番付の1位に輝いたのは、2015年に続いて蔡明忠(さい・みんじょん)と蔡明興(さい・みんしん)の兄弟だった。中国本土の経済環境の悪化により、二人が率いる金融大手、富邦金融(フーボン・フィナンシャル)の株価が下落。20億ドルを失ったものの、首位を維持した。

最も資産を減らしたのは、食品大手の康師傅(カンシーフ、英語名ティンイー)を率いる魏(ウェイ)兄弟だった。株価が50%下落したことで、資産は29億ドル減少した。

編集=木内涼子

 

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