果殻網が開発したアプリ「フェンダー(分答)」は、著名人が質問に答える米国のサイト「Ask Me Anything(AMA)」をヒントに開発された。AMAではオバマ米大統領やビル・ゲイツ、有名カルト宗教の元メンバー、マフィアのボスなど特殊な経歴を持つ人々が投稿者の質問に答えている。
フェンダーの利用者は専門家や芸能人らに料金を払って質問し、60秒のボイスメッセージで返事を受け取る。さらに、他のユーザーも1元(約15円)を払えばボイスメッセージを再生でき、その代金は質問の投稿者と回答者に分配される。つまり、質問をしたユーザーは支払った料金の一部を取り戻すことができ、うまく行けば利益を得られる。
例えば、中国一の富豪ワン・ジエンリン(王健林)の息子で、中国のネットの有名人ワン・スーツォン(王思聡)には450ドルで質問できる。あるユーザーが料金を払って恋愛について質問したところ、回答は1万7,000回以上再生され、質問をしたユーザーは約1,200ドルを獲得した。回答者は総収入の10%を仲介料としてフェンダーに払う仕組みとなっている。
このようなアプリは中国でも前例が無い。38歳のジー・シーサン(姫十三)が創業したフェンダーは驚くほどの人気を集め、5月の立ち上げから24日で500万ユーザーを獲得した。アプリを通じた取引額は現時点で270万ドル(約2億8,000万円)に上るという。
セコイアキャピタル等から25億円を調達
投資家も食いついた。セコイアキャピタルとアリババ元役員ウー・ヨンミン率いるVision Plus Capitalが主導した資金調達ラウンドで、フェンダーには1億ドルの評価がつき、2,500万ドル(約25億円)を調達したと発表した。今回の出資にはワン・スーツォンが董事長を務めるPrometheus Capital(普思投資)や、ゲーム会社崑崙のCEOジョウ・ヤーフイ(周亜輝)、シャオミの共同創業者リー・ワンチャン(李万強)も参加している。