提案されているのは、書類に「使用しているSNSやそのアカウント名」を記入する欄を設けること。ツイッターやスナップチャット、インスタグラムについて自己申告してもらおうという訳だ。
DHSによれば、この欄への記入は任意。これらの情報を記入してもらうことで「旅行者が不正な活動を行う可能性、好ましくない人物とのつながりを持つ可能性がより見えやすくなる」という。
しかし非営利団体、センター・フォー・デモクラシー&テクノロジーのジョセフ・ロレンツォ・ホールなど反対派は、こうした“お願い”は危険な前例をつくると感じている。「たとえ任意であっても、旅行者がこの欄に記入をする可能性はきわめて高い。そうしなければ入国を許されないかもしれないと考えるからだ」とホールは言う。
旅行者のソーシャルメディアに目を光らせているのは政府だけではない。ホテルや旅行会社なども定期的に、ちょっとしたリサーチ目的にあなたのSNSを使っているのだ。
中でもホテル経営者たちは、ツイッターやフェイスブックをチェックしたり、あるいはリンクトインで検索してもっと細かなプロフィールなどを確認したりしている可能性がある。特に上客については、好みや消費習慣、日課などを知るために、SNSへの投稿内容を参考にするのだ。
「これはネット上のストーカー行為というよりは、盗み聞きのようなものと考えるべきだろう。ホテルのスタッフたちが長年、より良いサービスのために実践するよう訓練されてきた“こっそり情報を仕入れる”方法だ」と、クラウド不動産管理システムを提供するウェブレズプロ(webrezpro.com)はブログで説明。
その上でホテル経営者たちに、リサーチにあたってはゲストの好み以上の領域に踏み込まないよう警告している。