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2016.07.09

中国の金持ちは何にお金を使っているのか[富豪のトリビア45 -Part2]

中国の富豪、劉益謙が1億7,040万ドルで落札したモジリアーニの「横たわる裸婦」

富豪たちはいかにして巨万の富を手にし、何を考え、どう使うのか。大金持ちの生態を解き明かす「45のトリビア」を、12回に分けてご紹介。パート2は、

Q 中国の金持ちが海外に逃げ出そうとしてるって本当?

ワールド・ウェルス・レポートによれば2015年度、中国の100万ドル以上の資産を持つ富豪のうち約9,000人が海外に移民した。最低でも1年で90億ドル以上が海外に流出したことになる。

ただし同年、中国の100万ドル以上の資産を持つ富豪の数は約65万4,000人。移民したのはその1%程度に過ぎない。しかも減った数よりもたくさんの富豪が生まれている、と中国メディアは伝えている。とはいえ、2000年代から現在までの移民富豪の数を合計すると、すでに数十万人が移民していることになる。

Q 中国の金持ちは、何にお金を使っているのか?

1億7,040万ドル

いま、アートコレクターとして世界的に注目されているのは中国の大富豪、劉益謙(リュウイーチュエン)。1980年代に中卒でカバン工場を始め、タクシー運転手もしながら蓄財、その後、株で資産をなした人物。現在は投資会社「新理益集団」の取締役会長。

2015年11月、クリスティのオークションでモジリアーニの油彩「横たわる裸婦」をアートオークション史上2番目の1億7,040万ドルで落札。3,600万ドルで購入した明代の磁器の茶碗でお茶を飲んでいる写真をネットにアップしたことでも話題になった。

Q 中国人は海外でどのくらいのお金をばらまいている?

2,290億ドル

中国国家観光局の統計によれば、2015年に海外旅行をした中国人の数は延べ1億2,000万人。ドイツのマーケットリサーチ会社GfKによれば、同年、中国人観光客は国外で2,290億ドルを消費したという。

中国の贅沢品消費に関する調査を行う財富品質研究員によれば、15年、中国人が世界で消費したぜいたく品は1,168億ドルで、世界の贅沢品の46%を中国人が買った計算になるという。その多くは海外からの代理輸入によるもので、海外代理輸入サイト「洋碼頭」によれば、海外から買い物をする中国人の多くは25〜40歳で、うち25〜30歳は靴や洋服、化粧品を好む傾向があり、30〜35歳では腕時計やバッグ類、デジタル製品、35〜40歳では宝飾品やカジュアルラグジュアリー、健康食品などが好まれている。
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フォーブス ジャパン編集部 = 文

この記事は 「Forbes JAPAN No.24 2016年7月号(2016/05/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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