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フォーブス ジャパン編集部 編集者

ジェームス・ディクソン ビザ・ワールドワイド・ジャパン代表取締役(写真=佐藤裕信)

中国人観光客が増え、街中で中国語のアナウンスを耳にする機会が増えた。東京オリンピックに向けて、国土交通省は道路案内標識のローマ字表記を、外国人に分かりやすく改める。インバウンド市場が盛り上がる今、カードの普及には追い風が吹いているように見える。

昨秋、ビザ・ワールドワイド・ジャパンのトップに就任したジェームス・ディクソン社長は、「インバウンド市場が拡大していく今後、観光客の利便性を考えるとクレジットカードをはじめとしたペイメントカードの浸透が進むでしょう。日本は海外から見ても人気のある観光地。まずはオリンピックに向けて、電子決済を利用できる環境を拡大していきたいですね」と意気込む。目指すは“キャッシュレス・ジャパン”だ。

ただし、日本人が現金決済を好むことは、よく知られている。クレジットカードやデビットカードを持っていても、諸外国に比べて利用頻度は低い。電子決済市場では、交通系電子マネーの存在感が強い。日本には日本独特の、商習慣がある。

「どこの市場に行ってもそれぞれに違いはあるが、本質的な部分では共通項の方が多い」

ディクソン社長は、1992年に来日し、Visaの日本オフィスで働き始めた。カリフォルニアで育ち、大学卒業後はバンク・オブ・カリフォルニアで銀行員としてのキャリアをスタート。そこで太平洋沿岸地域の顧客を担当し、日本との接点ができた。それをきっかけにVisaの日本オフィスに移り、その後は香港やシンガポール、フィリピン、韓国などを経て、日本に戻ってきた。

「24年前にアメリカを離れて以降、ずっとアジアで働いてきました」。24年間、故郷のアメリカに長期滞在したことはない。

「常に”ガイジン”です」。いわばアウェーの環境に身を置き続けてきた中で、グローバルビジネスで勝つためのノウハウを学んだ。「時には自分が外国人であるがためにチャレンジングだったことはありますが、それ以上にエキサイティングなことが多くありました」

アメリカ以外のマーケットは常に未経験の世界。さらに国によって事情は様々だ。文化や歴史、政治や規制が異なれば、人々の暮らし方や価値観、ビジネス慣習も違う。ディクソン社長は、それぞれの市場を外からの視点で観察し続けた。

カードビジネスという話になれば、より便利で安全なサービスを求める点で、人々が期待するものに国や地域の違いはない。決済周りの技術革新が進む今、カード会社には、よりセキュリティが高く、使い勝手のいいサービスの開発が求められている。それが、ディクソン社長のいう「本質的な部分での共通項」だ。しかし、それで事足りると満足してしまえば、ビジネスの成功は覚束ない。

編集=大木戸 歩

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