投資家たちは、この情報を利用することができるのだろうか──恐らく、可能だ。米証券会社コンバージェックス(Convergex)は経済の健全性を測るために、そうした「非伝統的」な経済指標の四半期ごとの動向を追跡している。
それらの指標は、単独では景気の減速やつまずきを予測することはできない。だが、消費者や企業の間に漂う気配を感じ取る手がかりにはなるのだという。同社は先ごろ、以下の8つの“経済指標”に関連した今後の米経済の見通しを明らかにした。
「ベーコンチーズバーガー」
この指標で測ることができるのは、インフレ動向だ。ベーコンとひき肉、チーズの価格を追跡するものとなる。さらに、人気のトッピングをみることで、前年からの販売価格の変動も把握することができる。ここ2年ほどの間、ベーコンチーズバーガー指標はデフレ傾向を警戒すべき兆候を示している。つまり、食品価格は下落しており、今のところ、上昇に転じる気配はみえてない。
「銃販売数」
銃の購入者数は増加している。米連邦捜査局(FBI)によると、今年末までの販売数は2,800万丁を超える可能性がある。過去3年においては、年間の平均販売数は約2,170万丁だった。
販売数が増えていることは、スミス&ウェッソン(Smith & Wesson)をはじめとする銃器メーカーの売上高の増加に反映されている。同社は今年6月上旬、2016年4月期の業績を発表。売上高が前年同期比22.2%増となったことを明らかにした。コンバージェックスのアナリストは、「販売数の増加が暗に示しているのは、身の安全に対し、不安を感じる人たちがいることだ」と指摘している。
「自動車在庫」
自動車ディーラーたちが抱える在庫はこのところ、59日分の販売台数に相当する数となっており、適正な水準が保たれている。同じアナリストによれば、「販売台数が減少すると、ディーラー側には余剰在庫が生じる。反対に販売台数が急増すれば在庫不足になり、顧客に十分な選択肢を提供できなくなる。ディーラーは大抵、60日分の供給量を維持しておくものだ」という。