シリアルの売上が減っているもう1つの大きな理由が砂糖だ。公衆衛生や医療の専門家はもう何年も前から、米国人の食生活における砂糖の摂りすぎが健康に悪影響をもたらしていると警告してきた。砂糖の摂りすぎは肥満や体重過多、2型糖尿病や心臓病、高血圧など多くのリスクと関連づけられている。
消費者たちはこの警告を重く受け止めており、米国ではこの20年で、砂糖を含む炭酸飲料の売上が25%以上下落した。消費者は今では、加工食品や飲料に含まれる“隠れた砂糖”の存在も認識しており、多くの食品メーカーが対策に乗り出している。
一般的なコールドシリアル(牛乳などをかけて加熱せずに食べるシリアル)の多くはまさに砂糖の塊で、1食分にティースプーン4~5杯分の砂糖が含まれている。
また環境保護団体の環境ワーキンググループ(EWG)による2014年の分析によれば、子ども向けのシリアルに最も多くの砂糖が含まれる傾向にあり、その1食分には大人向けのシリアルに比べて平均で40%多くの砂糖が含まれている。
ケロッグスNYCを毎日訪れる人はほとんどいないだろうという見通しから、ケロッグでは、砂糖を含むコールドシリアルをもっとずっと健全なものとして位置づけており、同カフェを”時々訪れるアイスクリームバーやヨーグルトバーのようなもの”と位置づけている。
「ジャンクフードと同じくらい多くの砂糖を含むシリアルは、健康的な朝食や食生活の一部と考えるべきではない」と、EWGのコンサルタントで2014年の分析報告の共著者でもあるドーン・アンダラーガは言う。ケロッグは砂糖を含むシリアルが”毎日の朝食ではなく時折食べるスイーツ”になる未来に向かって足を踏み出してしまったのかもしれない。