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科学と医薬を担当。21世紀は生物学の世紀であると信じている

Photo by Ben Hider/Getty Images

米コンピューター大手のIBMは、がん患者1万人のゲノム解析に役立てるために、米退役軍人省(VA)に同社の認知型コンピューター「ワトソン(Watson)」を寄付する。6月末、ジョー・バイデン米副大統領が主導するがん撲滅ムーンショット計画の会議が開催されるのに先立って発表された。

このムーンショット計画がなければ、IBMがVAにワトソンを寄付することはなかっただろう。ワトソンのヘルスケア応用に向けた事業部門、ワトソン・ヘルスのスティーブ・ハーベイによれば、IBMとしてムーンショット計画を支援する方法を模索する中で、ワトソンを寄付する計画が浮上したという。

米国内がん患者の3.5%の治療を行っているVAは、がん治療においてDNA解析の利用を拡大する方法を探していた。IBMのワトソンは、過去にもメンタルヘルス関連のプロジェクトでVAと協力している(このプロジェクトは完了しているが、結果は公表されていない)。

「われわれのがん精密治療の取り組みは、VAがその種の専門知識を有する分野に重点を置いたものになっている」と、VAの保健担当次官であるデービッド・シュルキンは言う。「IBMのワトソンと協力することで、その取り組みを劇的に前進させることが可能になる」

現在のところ、ニューイングランド州またはノースカロライナ州在住で、がんが標準的な薬に耐性を持つようになった患者であれば、新たな治療法を模索するために役立つDNAシークエンシング(塩基配列の解読)を行うことができる。

だがこうしたことが、国内のその他の地域で行われる可能性はほとんどない。VAでは、ワトソンを使うことが、この技術をより広い地域で展開する上で助けになることを期待している。

「ボストンやニューヨーク、ヒューストンのように大規模な医療センターがあるところに住んでいるかどうかが、治療に影響すべきではない」とハーベイは言う。「中西部に住んでいる患者でも、一流の専門医が使っているのと同じ情報にアクセスすることができるべきだ」

編集=森 美歩

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