フェイスブックでメッセージプロダクトを統括するデビッド・マーカスは「開発者らにより新たなメッセージング体験がもたらされ、メッセンジャーを日々利用するユーザーらの未来を切り拓いていくことを期待します」と述べた。
フェイスブックは約3ヶ月前のF8カンファレンスでチャットボットを正式発表した。チャットボットのプラットフォームは社内のマシンラーニングのチームに加え、同社が昨年買収したスタートアップ企業、Wit.aiにより運営されている。
企業や開発者らのボットテクノロジーに対する関心は急激に高まっている。マイクロソフトやKik 、Slackといった企業が相次いでチャットボットのプラットフォームを公開した。フェイスブックはメッセンジャーボットの利用者数については明かしていない。また、ボットが全てのユーザーに受け入れられているとは言えないのが現状だ。
フェイスブックは今回のアナウンスで、いくつかの新機能も発表した。チャットによるサービスの評価機能、ミュートボタン、メッセージを返信する際のサジェスト機能だ。全米の花の宅配チェーン、1-800 Flowersの場合、花を注文するユーザーは10個の自動応答メッセージの中から、状況に応じたものを選択できる。
さらに、会話中のコマンド一覧がいつでも閲覧可能なタブも新設し、ユーザーの負担を軽減した。また、ボットがGIF画像や音声やビデオファイルを送信する機能も追加された。
ボットの利用可能範囲は多岐にわたっている。NBAの試合の進行の把握や、衣類の注文、個人の資産管理、航空券の予約やゲームも可能だ。フェイスブックはまた、ヴァーチャルアシスタント機能「M」の開発も進めており、現状で約1万人のユーザーが利用可能になっている。メッセンジャーアプリは現在、9億人以上の月間アクティブユーザーを擁している。
フェイスブックメッセンジャーのプロダクト責任者のセス・ローゼンバーグは「ボットはユーザーに新たなアプリをダウンロードさせる負担を取り除き、企業アカウントとのやりとりを、これまで以上に便利にできます」と述べた。
フォーブスの電話取材に対しローゼンバーグは「ボットに対し、膨大な数の開発者が関心を示し、利用ケースも飛躍的に伸びています」と述べた。
「メッセージングは既に友人とのやり取りにおいて主要なツールになっており、企業とのやりとりでも主要なハブとなることは確実です」