19歳が作ったチャットボット、「AI弁護士」が16万件の駐車違反を無効に

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スタンフォード大学1年生のジョシュア・ブラウダーは、チャットボットの開発を手掛ける起業家だ。現在19歳の彼はチャットボットには大きな可能性があると感じているが、フェイスブックメッセンジャーのボットは「全くつまらない」と切り捨てる。

彼が開発した「DoNotPay」(支払うな)はウェブベースのボットで、駐車違反切符に異議を申し立てたいドライバー向けのサービスだ。ロンドンで昨年9月に、ニューヨークで今年3月にリリースして以来、これまでに25万件の異議申し立てを行い、16万件の違反の取り消しに成功している。

「僕は18歳で運転免許を取得して以来、駐車違反切符をたくさん切られてしまった。異議申し立てをしているうちに、友達の分も手伝うようになった」とブラウダーは話す。

彼はボットを作ってチャット形式で友人やその家族に異議申し立てをするためのプロセスを教えることを思い付いたという。DoNotPayはアドバイスだけに止まらず、当局への嘆願書を作成することも可能だ。

ブラウダーはこのボットを高校卒業後の3か月で完成させたという。サイトをオープンすると、数千人からのアクセスが集まった。「これほど多くの人が利用するとは全く想像していなかった」とブラウダーは話す。彼はロンドン北部のヘンドン出身で、現在はスタンフォード大学で経済学とコンピュータサイエンスを学んでいる。

12歳の時にユーチューブ動画を見ながらコーディングを独学で学び始め、6年前からiOSアプリを開発しているブラウダーは、アプリ作りをはじめてすぐにイギリスのカフェチェーン「Pret A Manger」の公式アプリを開発し、同社に売却することに成功したという。その後、Freedom Houseをはじめとする人権団体向けのアプリの開発を手掛けた。Freedom Houseは米最古の人権団体で、報道の自由度に関するレポートを公表していることで知られている。
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編集=上田裕資

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