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2016.07.05 17:40

神戸から世界へ飛び出すスタートアップを! アクセラレーター・プログラムが始動

500 Startupsパートナーのザファー・ユニス氏(右)と神戸市 新産業創造担当課長の多名部重則氏(左)

500 Startupsパートナーのザファー・ユニス氏(右)と神戸市 新産業創造担当課長の多名部重則氏(左)

2016年8月、神戸市でスタートアップ支援のプログラムが始まる。神戸市がタッグを組むのは、シリコンバレーを拠点に世界50か国1500社以上を支援するアクセラレータ「500 Startups」だ。
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国内外から多くの起業家や起業家候補たちを集め、6週間にわたってシリコンバレー流の最高のトレーニングや教育を提供、世界から投資が集まる卒業生を育てる。500 Startupsパートナーのザファー・ユニス(Zafer Younis)氏と、神戸市 新産業創造担当課長の多名部重則氏に話を聞いた。

谷本有香(以下、谷本):神戸でアクセラレーター・プログラムを始めることになった経緯をおしえていただけますか。

ザファー・ユニス(以下、ユニス):500 Startupsは、世界で最もアクティブなシード投資ファンドです。サンフランシスコで神戸市の久元喜造市長と偶然出会い、このプログラムの日本における可能性について話し合った結果、今夏、神戸でプログラムを開始する運びとなりました。
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多名部重則(以下、多名部):神戸市はスタートアップのエコシステムを構築したいという思いがありました。日本経済は大企業が中心となって発展しましたが、相対的に地位が後退しています。一方、シリコンバレーではスタートアップ企業が大きく成長しています。日本では、今後の発展のキーとなるスタートアップへのサポート体制が十分ではなかったので、最先端の500 Startupsとの取り組みは、日本経済や神戸の将来にとって意義があると考えたのです。

谷本:ザファーさん、神戸市の印象はいかがですか。また、なぜ神戸なのでしょうか。

ユニス:とても良い第一印象でした。対等なシステムを築こうという、パートナーとしての神戸市の真剣さを感じました。強力なパートナーなしではスタートアップを支援するのは難しいのです。

東京などでなく、なぜ神戸なのかというと、答えはシンプルで、シリコンバレーはニューヨークやロサンゼルスなどアメリカの大都市にあるわけではありません。必要なのはイノベーション・システムで、サポートの体制などの良い環境、パートナーの真剣さが一番です。

谷本:シリコンバレーのような良いエコシステムを構築するのには、どのような要素が必要でしょうか。 

ユニス:多様な要素が必要です。一つ目はタレント。優秀な人材、教育、良いアイデアという意味ですが、日本には素晴らしいエンジニア、ビジネス思考の人たち、イノベーターがたくさんいます。

二つ目は資金。日本には良い市場、世界の中でもトップの経済、高度な株式市場やファイナンシャル・システムがあります。日本経済におけるベンチャーキャピタル産業は、規模が小さく、成長のポテンシャルが高い。より多くの人にスタートアップに投資をしてもらいたいですね。

それから、政府、大学、アクセラレーター、インキュベーターなどの支援組織。すでにいろいろな活動が起こっているようですし、5~10年後には、より多くの活動が日本のエコシステムで起こるのではないでしょうか。

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谷本:神戸市はどうしてスタートアップに取り組もうと思ったのですか。

多名部:新しいサービスや商品を生み出す起業家や、ITやウェブを使う人がイノベーションの中心になるということを市長が明確に意識しています。そのために若者向けの未来志向の経済政策をやろうと。実は、このプログラムを自治体がやるには高いハードルがありました。つまり神戸市がやるのであれば、市の税金を投入するので、神戸の人たちの起業を支援するのが基本です。

しかし、このプログラムには国内外の起業家が参加でき、終わった後はどこに行ってもいい。「優秀な若い人たちに神戸に来てもらい、プログラムの後は世界に向けて雄飛してもらったらいい」という市長のお考えとリーダーシップで実現しました。
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構成=星野陽子 写真=藤井さおり

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