ところが、実際の売上高や利益と予想の差は縮まる傾向にあり、同社は以前ほどには、投資家たちを興奮させることがなくなってきている。実際、同社の株価は今期に入り、下落傾向にあるのだ。ナイキはその魅力を失ってしまったのだろうか?
判断は難しいところだ。過去12か月のパフォーマンスが、必ずしもその後を決定付けるものではない。さらに、米経済は回復の足取りが鈍っており、高級消費財の売上高は伸び悩んでいる。
ただし、それでもナイキは直近の決算で、引き続き増収を記録した。同社を支えるいくつもの強みの中には、次のようなものがある。
ブランド戦略
10代顧客層の間に、強力なブランドイメージを築いている。若者たちの間では、ナイキの製品は“マストアイテム”だ。このため、競合他社よりも高めの価格設定が可能となっている。
規模
Finance.yahoo.com によると、ナイキの今年2月29日までの12か月の売上高は、およそ319億1,000万ドル(約3兆2,790億円)。最大の競合相手であるアディダスの倍近くに上る。
商品と対象顧客層
ナイキは男性、女性、子供向けのシューズからウェア、ギアなどさまざまな商品を展開している。
カスタマイズ
一部の商品について、顧客が自分の好みに合わせてカスタマイズすることを可能にする「NikeiD」を導入している。
イノベーション
競合他社とは一線を画す特徴的な商品を相次いで発表している。また、「エアジョーダン」シリーズをはじめとする有名アスリートの名を冠した商品の開発も、継続している。