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大手銀行にとっても事情は同じだ。ロンドンに本拠を置く銀行は「パスポーティング」と呼ばれる制度により、EU圏内でも業務を行うことができる。しかし、今後もこの制度が継続されるかは未定で、HSBCとモルガン・スタンレーはロンドンからEU圏に移転することを検討している。全てはEU離脱交渉の結果次第だが、答えが出るまでにはあと数年を要するかもしれない。

「将来的に英国とEU間の規制環境が複雑化すると、英国のフィンテック関連企業は英国以外での事業展開が困難になり、成長性が損なわれる」とルミノーは指摘する。

スペインの大手通信事業者であるテレフォニカが運営するアクセラレータプログラム「Wayra」の英国事務所でディレクターを務めるゲリー・スチュワードは、国民投票の結果について、「ロンドン近郊やオックスフォード、ケンブリッジなどの学園都市を除く多くの地域の住民が、グローバル化や多様化の恩恵を享受できていないと感じている証だ」と分析する。

「スタートアップには国境がなく、スタートアップの数が増えれば人々の疎外感が和らぎ、希望を持つことができるだろう。これまではロンドンにいないと起業には不利だったが、我々は地方自治体と協力して起業する機会を平等に提供していきたい」とスチュワードは語る。

編集=上田裕資

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