中国でも事情は同じで、コワーキングスペースは2年前に3,200箇所にのぼっていた。7月にはアメリカのコワーキングスペース「ウィーワーク(WeWork)」が上海に進出する。同社が初の拠点を設けるのは、洒落たバーやオーガニックカフェなどが立ち並ぶ上海の静安区のビルの2階と3階だ。
総床面積3,200平方メートルのオフィスは広々としており、ビンテージ風の雰囲気を醸し出している。本社をマンハッタンに置くウィーワークは初のアジア進出を果たすことになる。今年中には上海にさらに2か所と香港、さらにソウルとシドニーにも上陸する予定だ。
ウィーワークでアジア太平洋地域を統括するOle Ruchは「最初に上海に設置することに迷いはありませんでした。ネットワークが安定していて起業に対してオープンな都市であり、我々の理念に合っています」と語る。
中国の投資家から460億円を調達
中国の投資家から多額の資金を調達できたことも、アジア進出を後押しした。3月には聯想控股(レジェンドホールディングス)とそのプライベートエクイティファンドである弘毅投資がリードした投資ラウンドで4億3,000万ドル(約455億円)を調達し、企業価値は160億ドル(約1兆6,900億円)に上った。
これによってウィーワークはスナップチャットやエアビーアンドビーと並びベンチャー投資を受けている非上場企業の中でも有数の企業価値を誇るようになった。
ウィーワークによるとオープン前の段階で個室やオープンスペースの席の60%が契約済みと、滑り出しは上々だ。中国大陸を統括するフレッド・ルー(Fred Lu)は「ウィーワークのグローバル展開が魅力になっています。小規模な企業から比較的大規模な企業まで、駐在者や地元企業も契約しています」と説明する。