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2016.06.30

「借金」でしたたかに儲ける不動産投資[マイナス金利時代の資産運用術 第2回]

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ローンを借りて不動産投資をする場合のリスクには、ローンの金利上昇リスク、空室リスク、家賃下落リスク、物件の劣化リスク、震災などのイベントリスクなどがあります。

ただし、ローンの金利上昇リスクは、マイナス金利の現状では目先は大きなリスクとは言えません。空室リスク、家賃下落リスクは都心の駅近物件では限定されたリスクです。建物は経年劣化しますが、中古物件は劣化スピードが遅くなる傾向があります。震災などのリスクは想定外のことが起こるかもしれませんが、RC(鉄筋コンクリート)の物件は耐震性に優れています。

「チャリンチャリン投資」は、現金で購入出来るくらいの資産を持っている人か、お金を借りる力を持っている人しか選択できない投資法です。
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「借入=悪」という呪縛からの解放

私を含め多くの日本人は「借金=悪」という固定観念に縛られています。私自身、「借入=悪」という呪縛から、つい数年前までは、借金をしたことは一度もありませんでした。

しかし、これは誤った先入観であることに気が付きました。企業経営でも、資金調達戦略が重要であるのと同じように、「お金の経営者」である個人投資家にも、資産運用だけでなく、借入との組み合わせ方が、これからもっと大切になると思います。

資産運用には、資産サイドだけではなく、借入をどうするかという負債サイドのコントロールも重要なのです。

車を買う、マイホームを買うといった目的で借金をするのは「消費のための借金」ですから、やらない方が良い借金です。しかし、投資のための借金はリスクをコントロールできれば、資産運用の効率性を高める極めて有効な戦略と言えるのです。

日本国内の不動産は、銀行などの金融機関から購入金額のかなりの部分を借り入れて、「レバレッジ」をかける投資方法が可能です。もちろん借入によって、返済リスクや金利上昇リスク(変動金利で借り入れたの場合)が新たに発生します。しかし、負債を上手に活用することで、投資のバリエーションが広がります。

イールドギャップ(賃貸利回りと借入金利の差)が、一定以上になれば、空室リスクや物件自体のリスクの見返りに、収益を上げることができるようになります。ローンを元利均等で返済したとしても、毎月の返済額よりも毎月の賃貸収入が大きくなることもあり得ます。つまり、ローンで元本の返済をしながら、毎月キャッシュフローがプラスになるということです。
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文=内藤 忍

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