グーグルの製品部門のパリ・バット(Pali Bhat)によると、シンガポールはスマートフォンの普及率が高く、小売店の販売環境が整っていることが理由で選ばれたという。アンドロイドペイは本日からシンガポールで利用可能で、アンドロイド4.4以降のOSのNFC端末に対応する。
シンガポールではVISAやマスターカードの他、DBSやスタンダードチャータード銀行等、6つの銀行のデビットカードが利用可能になっている。アンドロイドペイはサムスンペイやアップルペイと同様、POSレジにタップすることで決済を行なう。
利用にあたってはアンドロイドペイアプリをグーグルプレイストアからダウンロードし、カード情報の登録を行なう。情報の登録後はオプション設定からデフォルトで使用するカードや、別の決済手段も選択可能だ。
カード情報を店舗に知られずに決済が可能
決済を行なう際にはスマホのスリープ状態を解除し、決済端末をタップすると決済画面が表示される。グーグルによるとアンドロイドペイはカード情報を店舗側に公開せずに決済が出来るため、他の決済手段よりもセキュアな点がメリットだという。万が一、端末を紛失した場合にはアンドロイドデバイスマネージャーを用い遠隔操作で端末をロックしたり、パスワードを設定することが可能。個人情報を全て削除することも出来る。
グーグルはアンドロイドペイのローンチにあたりシンガポールで数千店舗とパートナーシップを提携した。その中にはマクドナルドや地元のスーパー、NTUCフェアプライス等も含まれている。アンドロイドペイはギフトカードや特典ポイント機能も内蔵し、価格に敏感な消費者を捉えようとしている。
ウーバーもアプリ内課金で利用可能に
さらに、アンドロイドペイはアプリ内課金のかたちで他のサービスとも連携する。グーグルによるとデリバリーサービスのDeliverooやシンガポール航空、ウーバーやファッションコマースのZaloraらが今後、アンドロイドペイのアプリ内課金に対応するという。
ただし、アンドロイドペイの普及を妨げる要素もある。シンガポールでは既にアップルペイやサムスンペイが進出を果たしており、非接触型のPOSレジの普及率も高いとは言えない。また、低価格のアンドロイド端末はNFC機能を搭載しておらず、グーグルに勝ち目は無いとの見方もある。
しかし、グーグルの担当者によると同社はアンドロイドペイの普及に望みを託しており、銀行や小売店との交渉も引き続き継続中という。