配車サービス、リフトに身売り説 「投資銀行との提携」をWSJ報道

Lyft photo by Mike Coppola / gettyimages


ソフトバンク、アリババの名も浮上

また、別の候補に浮上するのが中国の「滴滴出行」だ。73億ドルという巨額な資金を獲得した同社は十分な資金を持っており、リフトの競合のウーバーを倒したい意欲も持っている。リフトと滴滴は米中の顧客の獲得で既にパートナーシップを結んでおり、さらに連携を強化すればウーバーと戦う上で有利だ。

それでもなお、滴滴がなぜ出資ではなくリフトを買収する必要があるのかという疑問は残る。滴滴はまず獲得した資金を中国でのウーバーとの戦いに注ぎ、次に米国のマーケットを考えるべきだろう。リフトの買収を急ぐ合理的理由は浮かばない。

その他の買い手候補として挙げられるのはソフトバンク、アリババ、楽天だ。この3社は既にリフトの調達ラウンドに参加している。また、テンセントは滴滴にも出資しており、直近でスウェーデンのゲーム企業、スーパーセルを86億ドル(約8,990億円)で買い取るなど、買収意欲は旺盛だ。

ただし、ここに挙げたいずれの企業もリフトを買収する戦略的合理性は見られない。買収よりは出資のほうが理にかなっていると考えられる。

アップルやグーグルはどうかと言えば、全く予測は不可能だ。アップルは5月、滴滴に10億ドルを出資しており、この分野に関心を示している。グーグルは長年に渡り自動運転車を開発中だが、Waze以外にコンシューマー向けのライドシェア製品に関心を見せたことは無い。ただし、シナジーという観点から言えば、どんなことも起こりえる。ウーバーがリフトを買収するというケースも、全くあり得ない話ではないのかもしれない。


編集=上田裕資

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