クラウド通信Twilio、上場で株価急騰 米テック系IPOに明るい兆し

Drew Angerer / Getty Images


JOBS法で財務諸表を開示せずに上場申請

これに対し、TwilioはJOBS法を活用して密かに上場申請書の準備を行った。JOBS法では、売上高が10億ドル未満の会社は財務諸表などを開示せずに上場申請をすることが認められている。同社は5月後半になってようやく米証券取引委員会(SEC)に登録届出書を提出したことを公表し、その後時間を掛けずに上場を果たした。「最後の最後まで上場についてオープンにしたくなかった。他の企業もいつどのように情報を開示するのかよく考えるべきだ」とディーターは話す。

しかし、ローソンと他の取締役にとっても、イギリスのEU離脱問題はコントロール外のリスクだった。ディーターによると、経営陣は「Brexit」(脱EU)が現実になった場合の市場への影響を慎重に精査した結果、IPOの時期が国民投票の開票と重ならないように投資家向けロードショーを1日早く切り上げたという。「幸運にもEU各国の政策協調の動きにより市場の完全な崩壊は免れた」とディーターは胸をなでおろした。

6月24日、英国のEU離脱が確定的になった後も、Twilioの株価は26ドル付近で持ちこたえている。

編集=上田裕資

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