犬肉祭に対しては、俳優のマット・ディモンやルーニー・マーラ、ホアキン・フェニックスなどの著名人や動物愛護団体からも「野蛮な行為」と非難の声が上がっている。一方、主催者側は「アジアでは昔から犬を食べる習慣があり、伝統文化として尊重されるべきだ」と主張している。大きな論議を巻き起こしている犬肉祭について、5つのポイントを整理した。
1. イベント開始は6年前
玉林市で犬肉鍋の人気が出たのは1990年代で、犬肉祭が始まったのは2010年と最近のことだ。中国などアジアでは古くから犬の肉を食べる習慣がある。犬肉は夏バテに効くと言われ、夏の人気メニューになっている。
2. 衛生面での懸念
犬肉祭に反対する人々の多くは、その残忍さに加えて衛生面の懸念を指摘する。「苦しんで死んだ犬はいい肉になる」との信仰から、犬の輸送や屠殺の環境は劣悪なことが多い。また、多くの犬はワクチンの摂取を受けておらず、狂犬病の心配もある。
3. 犬肉祭で殺される犬は1万匹
NPO団体「Animal Hope and Wellness」の創設者マーク・チンは、屠殺場から1,000匹の犬を救助したという。その数は、犬肉祭で食肉処分される犬の総数の10%に相当する。世界では毎年、2,500万匹の犬が食べられると見積もられている。
4. 犬肉祭は公的なイベントではない
玉林市政府は2014年、新華社通信の取材に対して、「犬肉祭は地元住民のほんの一部にしか認知されていない」と語った。
5. 犬肉祭の犬の価格は高い
犬肉祭の料理の値段は上昇している。批判の高まりを受けて犬肉をレストランに供給する食肉業者や屠殺業者が減っていることが理由に挙げられている。一方で、犬肉祭の知名度が上がったことで、イベント中に儲けようとする動きも高まっている。