現在の世界では、氏名でさえも完全に個人を特定することができない。だが、仕事で連絡を取る必要がある特定の人と確実にコミュニケーションを取る方法が二つある。それが、業務用の電子メールと、携帯電話だ。電子メールならほぼ間違いなく、コンタクトを取りたい人に連絡することができる。
そして、それが電子メールの価値だ。社外との連絡において、完全にこれに取って代わるものを見つけるのは難しい。何か新しく、より良い別のものに移行するなら、世界中が一斉にそうしなければならないだろう。さらに、完全に移行するまでには数十年かかる可能性がある。
3 変化
電子メールを完全に排除することと、現状のまま維持することのちょうど中間にあたる“折衷案”といえるのは、何らかの形で今のメールを「変化」させることだ。
仕事が今後、新たなテクノロジーと協調に依存するようになるとすれば、1990年代に「ポケベル」が登場したときのように、現在のメールと同じ役割を果たす次世代のメールが誕生すると考えるのが自然だ。
メールついて前向きな見方をするなら、その使用目的はあらゆる情報を提供することではなく、何かを知らせ、案内することだ。このシステムは、社内においてより効率的に機能しそうに思えるが、異なる組織間においてもうまく利用できる可能性がある。
電子メールは間違いなく、私たちの働き方を変え、世界中に向けて私たちのドアを開いた。今後、すぐに世の中から消滅することはないだろう。だが、そう遠くない未来に、その姿を変えることはあるかもしれない。