ビジネス

2016.06.24

顧客の「タグ付け」を宣伝に活かす、モバイルアプリ「スティールズ」の可能

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ソーシャルメディア重視

顧客に“おまけ”で見返りを提供する事業戦略は目新しいものではない。ポイントカードをはじめ、グルーポンやリビングソーシャルなどのクーポンサイトも同じ戦略だ。

だがスティールズの場合、重要なのは個人ユーザーにソーシャルメディア上でタグづけをさせること。契約店のオーナーにとっては、店の客に、自分たちに代わって宣伝をしてもらえるところにスティールズの真の価値がある。この方法は時間と資源の節約になるだけでなく、従来のソーシャルメディア・マーケティングよりもずっと効果が高い。

もちろん、スティールズのソフトにも顧客分析や人口動態分析機能、メールマーケティングやプッシュ通知の機能はついている。だが中核は、“顧客が店のブランド大使になり、口コミで広めてくれる”という概念だ。

ユーザーを維持できるか

スティールズは過去数年で契約顧客とユーザーの両方を飛躍的に増やしているが、全てのモバイルソフトに共通する難題にも直面している。ユーザーの維持だ。

人は何かを無料でもらえるのは大好きだが、ずっと同じ見返りばかりでは飽きてしまう。それに現在、個人ユーザーがポイントを獲得する方法は4つしかなく、それを“面倒な作業”と感じるようになれば、興味を失っていくだろう。スティールズと契約店は、ユーザーのトレンドを注意深く観察し、必要に応じて対処していく必要がある。

だがこうした懸念があるとはいえ、スティールズの認知度は高まっており、大きな問題が発生しない限り好調を維持する可能性が高い。

編集=森 美歩

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